【Jリーグ第2節】アルビレックス新潟-ガンバ大阪@ビッグスワン

【アルビレックス新潟 0-2 ガンバ大阪】

内容はともあれ結果が大切なのだよ。結果を出す事で内容が改善されてくる経験は多々。先制した時の戦い方の上手さを確認できた事も収穫。正直、初勝利には時間がかかる可能性も感じていた中でJ1復帰初勝利の喜びは大きい。J2での1勝とは重みが違う。これが勝利の喜び。これが勝利の充実。90分間ずっとブーイングされた東口も達成感を持って大阪に帰っているに違いない。

■数少ない勝ちパターンにはまった一戦

「守」に重きを置き過ぎていた前節からどのようにバランスを取るかが今節のポイント。裏でボールをもらえ、前にボールを運べる倉田を最前線に、ヤットを一列下げ、フタに代えて米倉を2列目で起用したスタメンで修正も効果は微妙なところ。ただ、リンスがまだフィットしない現状を考えるとこの選択がベターである事も事実。

前半から先制点までの時間は攻守の切り替え早い新潟相手にレッズ戦以上にパスをつなげない展開。レオ・シルバの守備が強烈だったり、チームとしての完成度に明らかな差があったり、先制点くらっていたら完敗もありえた。そこで先制点を取られなかった事をチームの強さと捉えるか、アルビの逸機に助けられたと捉えるかで評価も違ってくるのだろうけど・・・私は後者かなぁ。楔のパスをシンプルに入れられる数も多かったし、守備は最後の最後で守り切れたけど、チームとして守れれていたという感じはレッズ戦時ほどしなかった。もちろん、マクロな目線であれば大幅に改善されてるけどね。

そういう展開でセットプレーで先制、カウンターで追加点というのは現状のチームにおいて数少ない勝ちパターンにはまったと思う。この戦い方で安定的に勝ち点を積み上げられるとは思えないので、引き続き攻守共により良いバランスを探る試合が続くんだろうな。

ただ、収穫もあって、特に2点目を決めた大森は2試合連続で途中出場から試合のリズムを変える事に成功しているし、先日のサポミで語られていた「ジョーカーがいない」という弱点を克服する存在になりえる。前述の通り、先制点後のサッカーは得点の可能性を感じさせるものだったし(当然と言えば当然だけど・・・)、内容に進歩がない訳ではないので後味の悪い勝利では全くない。

次節は仙台。監督が変わってチームの完成度はさほどまだ高くないであろうチームとこの時期にやれるのは悪くない。このあたりでそろそろリンス初ゴールが出てくるとチームに勢いが出てくるんだろうけどなー。

【書評/読書感想】「勝利のルーティーン -常勝軍団を作る、習慣化のチームマネジメント-」(西野朗)

遂にJリーグが開幕しました。今シーズンも色々と注目点はあると思うのですが、個人的には我がガンバ大阪の動向以外では西野朗監督のグランパスでのチャレンジに注目しています。ガンバでの10年間が西野監督の株を高めた訳だけど、ヤットやフタ、ハッシー、智とタレント的にも選手は揃っていた中の結果であり、本当に手腕が問われるのは今回のチャレンジではないかと。

という事で、そんな新たな西野朗監督のチャレンジをより楽しむために西野さん本人著「勝利のルーティーン」を読んだ。タイトルの通り、西野監督の監督業の哲学がつまった一冊となっております。

「私が10年間率いたガンバ大阪は、最終的に、本当にスペシャルなチームになったと思う。」

という言葉からスタートする本書は表紙のカバーが青色だったり、構成担当が佐藤俊さんだったりからも分かる通り、完全にガンバ本。グランパスサポも西野監督の哲学を探る意味では読めると思いますが、具体的事例のほとんどがガンバのエピソードですのでご注意を。具体名もバンバン出てくるし、ガンバサポはちょっとした暴露本としても楽しめます。個人的にはヤットに関する記述はお互いに実力は認め合っているけども、同時に微妙な距離感も感じさせるような・・・まあ、深読みし過ぎなのかもしれないけれど。

勝利のルーティーン(西野朗)


■西野朗とガンバ大阪の相性の良さ。そして、マンネリズム


西野監督は戦術に選手を当てはめるタイプではなく、選手の特性から戦い方を模索するタイプ。ただ、理想としての戦い方は持っており、それは「攻撃的」という言葉でも表現できるし、「バルセロナ(クライフ)」の影響も強く受けている事は自他共に認めるところ。それはアトランタ五輪日本代表での守備的な戦い方が批判された事が背景にあるのは有名な話で、攻撃的なスタイルで見返したいという想いを持っている中でそうしたスタイルが合う選手達(しかも、若い)が沢山いるガンバからのオファーがあった事は幸運だったし、西野監督がどういうアプローチでチームを作ろうが最終的には今のガンバのスタイルは確立された気がする。西野監督自身もガンバに関して本書で「相思相愛」「運命的」という言葉で相性の良さを書いている。

ただ、そんな西野とガンバにも終わりが訪れる。長期政権ゆえのマンネリについての苦悩が書かれてある第3章が本書最大の読み所。08年のACL制覇をきっかけに一種のバーンアウトに陥っていたチームを更に成長させたいものの、高レベルに達しているチームを変える難しさがあったと回想。本書のタイトルでもある「ルーティーン」の結果が当時のガンバであって、そこを変えるリスクを西野監督は選ばなかった。実際、変えるという選択をクラブが取ったセホロペ体制では降格という結果に至っているので結果的に西野監督は正しかったのもかしれない。

一方で、リーグ優勝が求められているチームにおいて05年以降リーグ優勝できなかった事も事実で、優勝のために何かを変えなければならなかったけど、変えられない西野監督を交代させたクラブの判断自体は悪くなかった。実際、西野監督自身も本書内で2010年シーズンは長期政権ゆえのコミュニケーション不足は認めており、新加入選手に対してもずっと一緒にいる選手達と同様の接し方をしてしまった事を「マンネリ」がもたらしたのかもしれないとして後悔している。何かを変えられる新加入選手達へのアプローチを間違えたのは痛恨だった。新加入選手がフィットしない事例は多々あったけど、こうした事実も少なからずあった事を知れた。

また、自身が築いたガンバのスタイルが確立しすぎて(?)、試合状況的にパワープレーなど違うスタイルで戦いたいと思っても選手達がついてこなかったという記述も。そのリーダーがヤットだったようで、いつの間にか西野監督以上に選手達が自分達のスタイルに拘っていたというのは何とも微妙。西野スタイルを実践できる選手達は強みでもあり、最終的には弱みにもなったのかもしれない。メンバー固定化の弊害としてJ2降格と共に忘れてはいけない経験。

■西野朗監督は名古屋グランパスで成功できるのか


完全に余計なお世話ですがね。正直、分からないし。ただ、考えるヒントが本書でちょっとだけ書かれているヴィッセル神戸監督時代の話。要は失敗談なのだけど、失敗の要因として「西野監督と神戸のスタイルのミスマッチ」が挙げられている。西野監督は前述で「戦術に選手をあてはめるタイプではない」と書いたものの、長年同じスタイルで戦ってきているチーム(神戸の場合はカウンター)に新しいエッセンスを加える難しさはあったようで、その点で前任者が長期政権だった名古屋は神戸と近い部分はあるかもしれない。(ガンバはこれで降格しました)

ただ、神戸と違うのはシーズン途中の就任ではない事と、技術的に神戸より高い選手が揃っている事。チーム作りは神戸時代よりはスムーズだと思う。それに攻撃的なスタイルが名古屋でも変わらないとして、ガンバではDFの選手から反発もあったようだけど、名古屋のDFリーダーが闘莉王であるという点からその心配も無さそう。いや、むしろ名古屋において闘莉王が一番攻撃的なので逆に西野監督がそれを抑えるという事態が発生するかもしれない。ガンバの専売特許だった「馬鹿試合」が名古屋に奪われる心配が出てきた。とりあえず、ガンバー名古屋の試合が今から楽しみ。

P.S.本書は上記以外にも、06年天皇杯決勝など具体的な負け試合を事例に挙げて書かれている「采配論」や、なぜ国内で活躍した外国人選手ばっかり獲得するのかが分かる「外国人選手獲得論」、オーナー制の神戸では確立できない「クラブ組織論」など結構細かく西野監督の哲学が書かれているので本当にオススメです。ガンバ関連本では過去一番面白かったかも。

関連記事①:【書評/読書感想】「一流のリーダーたちから学ぶ勝利の哲学 今すぐ実践したい指導の流儀」(長谷川健太)
関連記事②:【読書感想】「眼・術・戦~ヤット流ゲームメイクの極意~」(遠藤保仁×西部謙司)

【J1開幕戦】ガンバ大阪-浦和レッズ@万博

【ガンバ大阪 0-1 浦和レッズ】

出張先の北海道・新千歳空港でこれを書いています。スマホでブログ。気分は駆け出しアイドルでございます。という事で、開幕戦は残念ながら現地には参戦できず。PRONTでオンデマンド観戦。土曜の夜に長居してごめんね。

北海道で出会った雪だるまのゆるキャラ
北海道で出会ったゆるキャラ。本文とは関係ありません

■ベストな攻守のバランスを探る序盤戦


このタイミングでのブログ更新なので他ガンバサポブログは拝見していますが大体書いている事は同じ。要約すると「守備に重きを置き過ぎぃぃ」。確かに守備の安定がもたらす代償は大きすぎるように観えた。先週のPSMのレビューでは攻撃の選択肢の乏しさの理由に宇佐美不在を挙げたけど、解決策を「個」にもとめるのは違うかもしれない。この試合の戦い方を観る限りは誰が出ても同じような内容になった気がする。

守備をJ1でも十分戦えるレベルまで整備できたのは長谷川健太監督のさすがの手腕なので、この先は元々ポテンシャルとしてもチームコンセプトとしても持っている攻撃性とのバランスをどう取るか。昨シーズンも夏場は守備をある程度捨ててロチャを起用するような柔軟な采配ができる監督なので信頼してる。頼みます。

最後に新加入選手の話も少し。東口は説明不要。藤ヶ谷批判ではないけども、素人目にも明らかに分かる守備範囲の広さの違い。GKが変わるだけでここまで守備の安心感が違うのかと。確実にDF陣にも好影響を与えるはず。

そして、リンス。逆襲のキーマン・・・多分。スピード感乏しく、フィニッシュの迫力に欠ける今のガンバに足りないものを持っている・・・多分。レッズ戦は全くフィットしていなかったけど、キャンプ中はずっと右MFで起用されていた事を考えるとやむなし。我慢してFWで使い続ける事を望んでいる。リンスがどういうプレーができるのかで今後のシステム、戦い方が変わってくる。

なんでキャンプ中にFWでもテストしなかったんだろうか。

【プレシーズンマッチ】ガンバ大阪-京都サンガF.C.@J-GREEN堺

スタメン紹介時、元ガンバの大黒や横谷に観客席が沸くのは分かるのだけど、比嘉さんの名前がアナウンスされた時にちょっとざわついたのには驚きましたな。

という事で、J-GREEN堺までプレシーズンマッチを観に行ってきました。個人的には毎年恒例の宮崎キャンプ旅行が大雪の影響で中止になったのでこの試合が今年の初ガンバ。明けましておめでとうございます。

チーム状態は報道されてた通り。「守備は整理されてる。攻撃はまだまだ」。久々にメインからガンバの試合を観た事もあるだろうけど、チーム全体が連動する守備は約束事が浸透してきつつある事を感じさせてくれた。特に見せ場はなかったものの東口が醸し出す安心感も相俟って、ガンバらしくない「手堅い」という印象すら受けた。これが2年目の蓄積というやつか。

プレシーズンマッチ京都戦

■宇佐美不在をどうやって埋めるのか

一方で守備にある程度の手応えを感じたからこそ個人で点を取れる宇佐美不在を大きく感じた。決定機は藤春のオーバーラップかフタのスルーパスというのは昨年同様。もう少し攻撃の幅を広げたい。

この試合欠場のヤットが入れば多少は違うのだろうけど、宇佐美がいなくてもヤットのFW起用を続けるのだろうか。また、佐藤のポストプレーは怪我前レベルで通用しそうである事を考えると、佐藤との組み合わせでベストなのはヤットではなく飛び出せる倉田やリンスのような気もするし、佐藤を使わないパターンも当然考えられるし……etc. とまあ、組み合わせに関しては軸である宇佐美の怪我で振り出しに戻った感じ。

新加入のリンスがどれだけできるかは今日の出場時間では未知数。今年も左に偏る攻撃においてキャンプ中にずっと試していたという右MFにリンスを置く布陣は観てみたい。ただ、FW起用された今日の試合では左に流れるシーンが多かった気がする・・・。

とにもかくにも開幕まで一週間。色々書いたけど、課題うんぬんより単純にガンバの試合が観れるという期待感の方が圧勝しております。今年も宜しくお願いします。

P.S.J-GREEN堺は客席とピッチが近かった事もあり選手の声がよく聞こえた。そこでの発見として、丹羽ちゃんの声は味方への指示と共に自分のプレーのリズムを生み出す景気づけの意味合いが強いような印象を受けた。岩下の声?そりゃ、全部威嚇でしょう。

関連記事:【シーズンプレビュー】「ガンバTV」のDVDを観ながら思う、2014シーズン『4つ』の見所

【書評/読書感想】「フットボール百景」(宇都宮徹壱)

お馴染み宇都宮徹壱さんがサッカーダイジェストで2008年から連載していたコラム「フットボール百景」をまとめた一冊。ちなみに、連載のオファーを出したのはガンバサポにはお馴染みの川原崇さんであった事がプロローグで明らかになっており、勝手に縁を感じながらの読書開始。

コラムをまとめている一冊ゆえに共通したテーマは無し。ただ、その中でもキーワードを挙げるのならば「マイナー」とか「多様性」という言葉になる。これは本書だけではなく、宇都宮さんに対して持つサッカーファンの印象と同じかもしれない。Jリーグと日本代表しかほぼ観ない自分としては、この本で「地域リーグ」や「サッカー弱小国」が持つサッカーの魅力を知る事ができる他、最近の宇都宮さんの代名詞的になりつつある(?)「マスコット」への注目など、違った視点も提供してもらえる。

フットボール百景 宇都宮徹壱

宗教や政治といった海外サッカーでは切っても切り離せないテーマからサッカーを書いたかと思えば(文化的側面からサッカーを語れる人は貴重)、大分のマスコットである二ータンがどうとか、海外のビールが美味いみたいな話が出てくるなど、緩急の付け方はまるで我らが遠藤保仁のような・・・ちょっと違うか。

先日感想を書いた「ボールピープル」(近藤篤)も近い雰囲気があったけど、良い意味で「ゆるい」サッカー観戦術も持っている人の言葉をシーズンオフに読めたのは良かった。この力を抜いた自然体で素直にサッカーを楽しむ姿勢は自分を含め、それなりに長年サッカーを観てきている人ほど忘れている部分なのかもしれないなぁと。試合を観ては課題を指摘して、応援するという行為に対しても「サポーター論」だとか難しい事を言い始めて、単純にもっと気軽にサッカーを観て、サッカーを楽しむ事を取り戻したい・・・そんな事を思わせてくれる一冊でした。

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