【書評/読書感想】「J's GOALの熱き挑戦」(Jリーグメディアプロモーション編著)

2009年9月初版なので8年前に発売された一冊。ここ数年は紆余曲折あったが、「J's GOAL」の成長過程や苦悩、PV数向上への工夫が紹介されている。2009年からWEB環境は大きく変化してはいるが人気サイトの運営において不変である要素は多く、今読んでも非常に勉強になった。

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個人的に本書を読んで感じたキーワードは「サポーター目線」

J's GOALはとにかくサポーターを主役に置いたコンテンツ開発の視点が秀逸だった。スタジアム内の応援だけではなく、関連する様々なコンテンツをトータルで楽しんでもらおうとするアプローチは業界初だったのではないかと記憶している。スタジアムグルメ、ゲーフラ制作マニュアルに代表されるピッチ外企画の数々がサポーター文化を豊かにしたし、共感を呼んだ。これは他社サイトとの比較から自分達の強みを深堀した結果生みだされたサイト運営方針らしい。

また、サポーター参加型の企画を重視した点も既存メディアとの違いで、「声援音量計測」「お宝紹介」などの企画はJリーグサポーターの代表的なメンタリティである“当事者意識の高さ”を大いにくすぐった。人によってJリーグに興味を持つきっかけは様々。カッコいい選手がいるから、美味しいグルメがあるから、素晴らしいスタジアムがあるから…Jリーグの人気が下火になっていた時代は多様性を認めず「Jリーグ(サポーター)はこうあるべき」という空気感があったようにも記憶しているが、J's GOALには“邪道”が存在せずコンテンツを量産した。

数ある中でも代表的なものが「ACL遠征企画」。今では信じられないが「ACL=罰ゲーム」と捉えるサポーターも多かった時代に日本を代表して異国で戦える価値をブランディングした功績は大きい。情報が少ない異国クラブスタジアムへのアクセス方法を現地取材で記事化するなどサポーターのACL遠征をバックアップした。私もACL遠征を始めた当初はJ's GOAL記事のプリントアウトを片手に遠征した記憶がある。

コンテンツの価値は自分達が育てるもの。自分達が好きなものの魅力を一生懸命世の中に広める仕事は素敵だ。

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