【書評/読書感想】「スポーツに恋して」(篠原美也子)

感傷的にスポーツを観るという行為は楽しい。プレーひとつひとつに必要以上に意味を持たせたり、自分の想いを重ねたり・・・。得てして観客はスポーツに過剰な夢や想いを託し過ぎている嫌いはあると思うので、サポーターブログ等を選手が読めば失笑だとは思う。しかし、もうそれは習慣と化している。やめられない。

そんな感傷的にスポーツを観る醍醐味を上手く表現してくれたスポーツコラム集が今回紹介する「スポーツに恋して」。書き手は篠原美也子さん。本業は音楽家(シンガーソングライター)という事で、言葉の選択が面白い。スタジアムの移転(取壊し)前のスポーツ観戦を「死に目に会えた」と表現する感じ。実にセンチメンタルで好き。また、スポーツそのものに対するレビューというよりも、スポーツを入口に多様な自分の感情を書くスタイルでもある。村上龍さんや、奥田英朗さんなど言葉を仕事にする人達のスポーツコラムは専門家よりも視野や感情が豊か。

オリジナリティという面では「母として」サッカー少年である息子について書いてある点。この本の一番の読み所でもある。我が子が対象ゆえに感傷的なスポーツ観戦が爆発。当然、愛に溢れているのだが、選手達を観る(応援する)我々サポーターも共感できる部分は多かった。特にどのスポーツも共通してもっている「儚さ」に関する言及が秀逸で、その儚さに対する想いや優しさを息子を見る母の目線で感じられる。

スポーツに恋して

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