【書評/読書感想】「PK 最も簡単なはずのゴールははぜ決まらないのか?」(著:ベン・リトルトン/訳:実川元子)

『フットボール批評』でお馴染みの株式会社カンゼン社さんから頂いた話題の一冊。「PKは運だ」で片づける人も多い中でこういう本が発売される事がまず素晴らしい。「なぜPKが決まらないのか?」ワンテーマで400ページ超えの力作。あらゆるデータを基にした心理学の一冊としても読む事も可能。助走の角度、PK合戦における先攻後攻による成功率の違い、順番、蹴るまでのルーティーン、観客数・・・etc.これでもかと多角的にPKが分析されている。

日本でPKに関して常識になってきているのは「先攻の方が有利」、「優秀なキッカーから順番に蹴らせる」くらいか。この2つは精神的な影響を考慮した選択であり、結局はメンタルがものをいうのがPK。メンタルが強い人間が成功率が高いという事は結論的に言える。そして、Jリーグにおいてそれを体現する選手である遠藤保仁も本書に登場する。詳細を書くとネタバレになるので控えるが、ヤットは本書内で「GK依存型」と分類されるキッカーの代表の1人として紹介されている。最近は蹴らなくなった「コロコロPK」が成立する上でのキーワードも結局はメンタルの強さである事が紹介されている。

選手やクラブ関係者はこれを読めばPK成功率向上が期待できる。天皇杯前に是非一読あれ。

PK 本 カンゼン
カンゼンの皆様、いつもありがとうございます

■PKの思い出

「PK」はドラマ。今年でいえば藤ヶ谷のPK成功。あとは、川崎F戦で大久保に決められたPK(決めた後に東口を挑発)も忘れられない。時を遡れば、2005年ナビスコカップ決勝の遠藤PK失敗による敗戦も思い出す人は多いだろうし、同じく2005年最終節で優勝を決めたPKは今観ても涙が出る。ゴール後に胸のエンブレムを叩きながら大喜びするヤットをこの先の人生で観られだろうか。

そんな色んなPKに関する思い出がある中で個人的には2012年ACL浦項戦(アウェイ)での木村敦志によるPKストップが一番印象深い。長年サブに甘んじていた敦志の苦労が少し報われたような気がした瞬間であると同時に、2012年は言わずもがな苦しいシーズンだったので敦志が救世主になるのではないかという期待感も生まれた事をよく覚えている。

浦項 スタジアム
目の前の敦志がPKを止めた時は鳥肌が立ちました

結局、敦志はこの後に怪我をしてしまう不運もあって最後までレギュラーになれないまま引退したけど、ムードメーカー的な部分も含めてクラブへの貢献度が高い事はサポーターなら誰でも理解していたし、そういう選手が輝いた瞬間に現地で声を枯らして声援を送る事ができたのは幸せな経験だった。

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