【書評/読書感想】「7人の外国人監督と191のメッセージ」(六川亨)

オフト以降のサッカー日本代表監督に就任した7人の外国人監督のサッカーに関する考え方を印象深いメッセージを軸に紹介された一冊。面白いのは今振り返ると当時は批判的に受け止めたいた歴代監督の言葉をすんなり受け止める事ができたり、どの監督も時代は違えども日本代表に求めるものが根本的には同じだったりする点。

つまり、自身の経験値と共に事の重要性に気がついた部分があるという事でもあるし、長年解決し続けていない課題もあるという事でもある。時代によってシステムや戦術は変われど、サッカーにおいて軸となる大切な要素は不変なのかもしれないと思わせてくれる一冊。要所要所で振り返りというのは大切な作業かもしれない。振り返る事で再発見がある事もある。

7人の外国人監督と191のメッセージ

■監督選びは未来への投資でもある

7人の監督が登場する中でもやっぱり印象的なのはトルシエとオシム。前述の通り、全監督に共通してみえている日本の課題はあれどアプローチ方法はさまざま。中でも2人のアプローチ方法は動と静で対照的。

トルシエは全監督の中で一番結果を出した監督ではあるけども、人間的には微妙。戦術的にも「フラットスリー」という独特のアプローチだったので日本サッカー界に蓄積がないのも残念。ただ、本書的には異質であるがゆえに一番面白かった。求心力がないのに結果を残してしまうパワーという点においてもある意味スペシャルワンな存在だっだなと今思えば・・・。

一方で求心力抜群だったのはオシム。比喩的な表現が多いので抽象的ではあるのだけど、人を引き込む魅力がある。言葉の中に真理が隠されているのではないかと思わせる話し方ができるのは歴代監督の中で唯一無二だったし、そういう話し方ができるのは自信があるからなんだろう。「考えて走る」はもはや日本サッカーの常識化しているし、日本代表だけではなく日本サッカー界に影響と蓄積を与えた監督。

監督の哲学がもたらす影響力はチーム内に留まらない。それは未来への投資でもある。Jリーグを例えに出せば、西野監督時代にサッカー少年だったガンバサポーターはパスセンス溢れる攻撃性の高い選手に育つだろうし、長谷川監督時代にサッカー少年だったガンバサポーターはハードワークできる守備意識の高い選手に育つはず。

そういう視点でも監督選びは超重要。直近のW杯だけに留まらない視点での監督選定を日本サッカー協会には期待したい。

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