【書評/読書感想】「サッカーボールひとつで社会を変える」(岡田千あき)

スポーツを手段として社会のあらゆる問題を改善させる事例や提案が紹介されている一冊。

例えば、ホームレスの方の社会復帰を促すきっかけとして開催されている国際的なフットサル大会「ホームレスワールドカップ」。日本ではビックイシューが中心となって活動されている取り組みで、「コミュニケーション能力」、「人間関係を構築」、「諦めない気持ち」など社会人として必要な要素をスポーツイベントを通じて得て欲しいという対プレーヤーへのアプローチと同時に、そのスポーツイベントが媒体となりホームレスが生まれてしまう社会の問題点などを多くの人に知ってもらおうという考え方。

後者の方は我々サポーターも実体験として理解できる部分は多い。私の場合、例えばACLで中国や韓国に行って相手サポーターから石を投げられたりする事でアジアにおける日本の存在を考えざるを得ないし、W杯でブラジルに遠征した際は危険地域の雰囲気を直接感じる事でJリーグに来ている助っ人ブラジル外国人選手のブラジル時代の苦労話が初めてリアリティをもって聞けるようになった。サポーター活動を通じて(サッカーを媒体にして)、知り得た事は多い。

本書では上記以外にも「カンボジアのホテル・観光業界だけで運営されているサッカーリーグ」、「HIV/エイズ患者のサッカーリーグ」、「マレーシアが国として取り組んでいる『ナショナルユースデイ』」など世界で行われているスポーツを使って社会が抱えるあらゆる問題を解決するアプローチがたくさん紹介されている。

サッカーボールひとつで社会を変える

■スポーツの力を共有しよう

本書で紹介されている事例はどれも説得力のある「スポーツを通じた社会貢献」だと感じたが、この活動を広めるためにはスポーツが持つ力に対する共通理解が必要。この力は多くの人に共有されればされるほど力を増す。スポーツの力は万能ではないし、それが社会貢献の全てではないものの、全国のスタジアム建設における紆余曲折を見ていると日本ではまだスポーツが持つ力に対する共通認識は低いと感じる。

だからこそ、我々Jリーグサポーターは引き続き排他的な言動をなくす意識を持ち続ける事が大切だし、ポジティブな情報発信は巡り巡って国際貢献にだってつながるかもしれない。

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