【書評/読書感想】「ワールドカップがもっと楽しめるサッカー中継の舞台裏」(村社淳)

普段、何気なく観ているサッカー中継の裏側で行われている様々な準備や工夫について書かれてある一冊。「W杯放送権の歴史」、「欧州CLのスポンサーシップ」、「ジャパンコンソーシアム」などサッカー放送ビジネスの基礎知識が筆者の経験からまとめられているので放送業界に就職・転職を検討されている方にもオススメ。個人的にも放送の会社に勤めていながら「中継回線の確保」など製作の現場はよく知らなかったのでとても勉強になった。放送にまつわる事が具体的に紹介されている。

ワールドカップがもっと楽しめるサッカー中継の舞台裏

■放送の影響力

一番面白かったのは番組製作における工夫がそのまま日本のサッカー文化の一端になっている事例。本書で紹介されているのは「セリエA」を「セリエアー」と発言させたり、番組のBGMとして使った「オーレーオレオレオレ~♪」の音楽がJリーグのテーマソングになっていたり、番組制作における工夫がそのまま日本サッカー文化の1つになっている例を知り、改めてサッカー界におけるテレビの影響力を感じた。

ただ、今後もテレビが日本サッカー文化を牽引していくかは疑問。時代は変わって、あらゆるところから情報を得る事ができるし、情報を発信できるメディアも増えた。今テレビに出ているサッカー解説者はあきらかに勉強不足の人も多い一方で、影響力をもつサポーターが増えてきている。本書にリスペクトの対象として登場している明石家さんまさんは今やコアサッカーファンにとってバッシング対象の筆頭だったりもする。

多分、サッカー界におけるテレビが果たす役割は変わる。その役割が何なのかを考えるきっかけとして本書で歴史を知るのはきっと有意義な時間になるはず。

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