「最後のロッカールーム」での嘘泣きから10年が経って ~高校サッカー備忘録~

高校サッカー選手権名物「最後のロッカールーム」。最近知ったのだけど、あのロッカールームのシーンばっかり集めたDVDが発売されている。そのDVDの説明文にはこう書かれている。

試合に負けた選手たちは、ロッカールームで、監督から最後の言葉を贈られ、感動し、涙する――。

・・・らしい。

『敗れてこそ、初めてわかることがある。
負けから、人生にとって大切ななにかを学ぶこともある。』


・・・らしい。

■自分の記憶している「最後のロッカールーム」と違う・・・。


約10年前、弱小高校サッカー部員だった僕にも選手権「予選」(しかも、2~3回戦)で負けて、引退した経験がある。残念ながら試合後は「ロッカールーム」すら用意されず、他校が試合をしている邪魔にならないようにグランドを隅っこに移動して敗戦を噛み締める事になったけど。ロッカールームで引退できるのは勝ち残った選手達だけ。「最後のロッカールーム」なんてタイトルに共感なんて覚えない。

ちなみに、違うのは場所だけじゃない。後輩達に「俺達が見れなかった夢の続きをお前達に託した」的な熱い言葉も言わなければ、そもそも泣いてすらいない。正確には周りの仲間が泣いているのを見て「あれ?これは俺も泣いた方がいいの?」という発想で泣いているふりをした。嘘泣きをしたのは後にも先にも人生であの時だけ。試合後の監督の言葉は一言も覚えていないが、試合後に「あぁ、明日から放課後に走らなくてもいいのか」と解放感でいっぱいだった事は覚えている。

・・・・すいません。振り返ってみると、僕がクズなだけでした。「最後のロッカールーム」。素敵なタイトルですね。

そんな僕だけど、アラサーになった今、サッカー(フットサル)が上手くなりたい意欲は当時より強かったりする。高校サッカー部OBで集まってフットサル大会に出場すれば誰よりも勝敗にこだわるし、熱くなってしまう自分がいる。きっと高校卒業後は、部活のメンバーの誰よりもサッカーを観ているし、誰よりもサッカーを愛していると思う。なんなんだ、これは。

そして、お世辞にも全力を出し切ったとはいえない高校サッカー引退後の人生は比較的ベストを尽くしている気がする。高校サッカー引退後は3年間サッカーしかしてこなかった付けが回って浪人こそしたけども、浪人時代は死ぬほど勉強したしし、大学では興味のあったスポーツビジネスをインターンシップやボランティアなどに参加したり前向きなキャンパスライフを送り、ガンバ大阪を日本中追いかけ回しはじめ、ブログを書き始め、そのエピソードを面白がってくれたのか希望する業界に就職して、仕事も前向きにやってる。・・・真面目だな。長谷部か、俺は。

「高校サッカーで全力を出せなかった後悔がその後の人生の活力になっている」・・・なんて事は言わない。別に後悔もしていない。ただ、この先の人生において「引退」のタイミングがどこになるのかは見当もつかないけども、その時はグラウンドの隅っこではなく「ロッカールーム」で迎えたいなとは思っている。

高校サッカー選手権 ロゴ
ふり向くな君は美しい

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