悲劇的敗戦がもたらすもの

「負けたら何も残らない」
「勝たなければ意味がない」


敗戦後、選手やサポーターからよく聞かれる言葉。ある意味で正しいのかもしれないけど、敗戦がもたらすものもあるはず。「失敗は成功のもと」という言葉がある通り、進化は経験の積み重ねでしかない。特に「悲劇」と表現されるような敗戦は「歓喜」への糧となる。負けてもサッカーは続く。悲劇的敗戦で流した涙は次へと向かう第一歩のエンジンとなる。

・・・・なんてな。

Number風の文章で締めようかと思ったら意味不明な表現になってしまった。最後にもう一度チャレンジしよう。今回は「悲劇的敗戦がもたらすもの」について考えるエントリ。

■ドーハの悲劇が日本サッカー界にもたらしたもの

こんな事を考えたきっかけになったの「ドーハの悲劇」をテーマにした雑誌「Number」を読んだがゆえ。当時の日本代表選手達にドーハの悲劇とは何だったのかを語ってもらっているインタビューで構成されているのだけど、ゴンちゃんが面白い表現でドーハの悲劇を表していた。

『劇薬』

現状のJリーグ人気に比例しない日本代表人気は「ドーハの悲劇」がきっかけであるのは間違いなさそう。実力差が明らかなW杯アジア予選で未だに中毒的に日本中が盛り上がれるのはあの経験があったから。

悲劇的敗戦が凄いのはそれが世代を越えて語り継がれるという点。W杯最終予選のゴール裏で応援しているサポーターの多くはとても若く、20年前の「ドーハの悲劇」をリアルタイムでは経験できていないはずなのに共有できているし、その共有はサッカー観戦の醍醐味である「(スタジアムの)一体感」を生みだすのに大きな役目を果たしていると思う(※共通理解が生みだす一体感については別エントリ「JリーグサポーターがWEBで情報発信をする意義」で)。

■弱い時代も応援したからこそ経験できたカタルシス

悲劇的敗戦がもたらす効果をもう1点。

日本代表にとって「ドーハの悲劇」があったからこそ、ジョホールバルでの勝利が「歓喜」になったように、悲劇的敗戦は勝利の味を格別なものにしてくれる作用がある。そういう意味でガンバ、レッズ、グランパスというJリーグ開幕から悲劇ばっかり経験してきたサポーターは最初から強かったアントラーズや東京Vや、勝ち過ぎているジュビロやマリノスよりも初優勝の喜びは大きかったと思うのだけど・・・どうかね?(比較のしようがないが)

ちなみに、我がガンバ大阪の2005年リーグ初優勝までの道のりは寸止め悲劇の歴史でもある。まず思い出すのは2002年1st12節のジュビロ戦@ヤマハ。勝てば優勝に一気に近づく上位直接対決で後半30分過ぎて4-2だったのに、あれよあれよとロスタイムに同点ゴールをくらって延長戦。相手は退場者を出して1人少ないのに延長で勝ち越されてThe end.「ガンバは弱いままなのか・・・」という失望感レベルではガンバにとって最初の悲劇はこの試合ではないかと思ってる。当時高校生の私はTVの前で「ガンバサポやめてやる!!」くらい苛立った事を覚えている。確かこの試合を境に都築がスタメンを外されて、ぶちギレて西野に干された結果、ガンバを去ったというおまけ付き。

リーグ優勝した2005年もナビスコカップでは、決勝でヤットがPKを外すという当時では信じがたい悲劇で敗戦。リーグ戦も優勝が決まる直前の3試合は3連敗で首位はセレッソという悲劇目前状態。「まだ勝てない時代は続くのか・・・」という絶望感と半分同義の圧倒的不安と戦いながらの優勝だったゆえに優勝決定の瞬間は「カタルシス」と呼ぶにふさわしい感情爆発(解放)だった。(余談ながら、優勝した2007年ナビスコ決勝はスタメン紹介時に煽りVTRとして2005年ナビスコ決勝の映像が流されて、多くのガンバサポが試合前なのに泣くという事件も発生している)

優勝トロフィー

■負けている時こそスタジアムに行くべき

そろそろ話をまとめる。言いたかったのは、色んなものに当てはまる真理だと思うけど、辛い時期、我慢の時期を経験するのと、しないのでは歓喜の瞬間に感じる喜びの大きさが違うって事。勿論、辛い時期を経験している方が喜びは大きい。

結論:勝てない時期の応援は、未来の歓喜への投資となる

なかなかJ1に昇格できない、毎回大一番で負ける、常に降格争い・・・一部のクラブを除いて大多数が苦渋のシーズンの繰り返し。ただ、良くも悪くもJリーグは多くのクラブに優勝(昇格)のチャンスがあるリーグである事を考えれば、苦しい時期の応援という投資がいつか還元される可能性は高い。だから、応援しよう。だから、スタジアムへ行こう。

敗戦の連続で枯れた心が歓喜の涙で潤う、その日まで・・・。

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