【ACL 第1節】ガンバ大阪-広州富力@万博

【ガンバ大阪 0-2 広州富力】

シーズン初戦としては戦いやすい相手だったはず。中国のチームにしては荒くないし、主導権も握れる展開だったし・・・この相手にホームで敗戦は痛恨。ほぼ昨シーズンとメンバーが変わっていないとううシーズン序盤のアドバンテージを活かせない残念な結果に。

相手はプレーオフで真剣勝負を前週に戦っているという点において試合勘の差はあった。変化をつけられない攻撃に、数少ないピンチで失点をくらう守備。共に悪い出来ではないながら勝負所を抑えられていないと国際試合ではこういう結果になるんだろうなと高い勉強代を払われた感じ。こういう時の頼みの綱であるいセットプレーも今日はヤットのキックがイマイチ。ヤットにACLは引っ張って欲しいのだが・・・。交代策も多少の効果はあったものの得点までにはつながらず。最後まで打開策を見つけられないモヤモヤな90分。

ゼロックスはACL前にやった方が良くない?

■期待の新戦力の出来は?

注目された怪我の今ちゃんの代役は小椋。「らしさ」を出そうとする姿勢は好感。チーム戦術うんぬんの前にベースとなる「運動量」「切り替えの早さ」「球際の激しさ」は保証してくれそうなパフォーマンスぶりは長谷川ガンバにおいて出場チャンスは結構ありそう。

長谷川監督はシーズン前に「マンネリ」というキーワードを挙げていたけど、+αの部分で新たな武器が必要になる試合が出てくる事は明らか。今日はノーチャンスだった赤嶺と共に早めのフィットに期待。勝っても負けてもいい今週末のゼロックスは新戦力を積極的に起用して欲しい。



【書評/読書感想】「ロンドン五輪でソーシャルメディアはどう使われたか」(野々下裕子)

「SNSを全然上手く使えてない」はサッカー界でよく聞かれるセリフ。サッカー界以外に目を向けてもSNSを上手く利用しているスポーツ団体はまだまだマイノリティな印象。そんな状況の中でタイトル買いした一冊。

タイミング的にはロンドン五輪をテーマとしているので少し古いものの、IOCやスポンサー企業、出場選手、ファンが大会開催期間中にどのようにSNSを利用したのかを示す各種データやアンケート結果や関係者へのインタビューと共に紹介されている。

ロンドン五輪でソーシャルメディアはどう使われたのか

■今後のSNSの有効利用方法

面白かったデータは選手自ら行う情報発信への興味(価値)が高いという点。プレスリリースのようなオフィシャルな情報よりもプライベートに近い情報発信に価値を見出している人が多いというのは自分の感覚とズレがあって面白かった。確かに考えてみれば成功している法人のアカウントの多くは、法人というよりも「中の人」の魅力でよって成功している事例ばかりである事がこのデータを裏付けている。Jリーグでいえば、川崎や山形のアカウントあたりが代表格。

結局、成功の秘訣は中の人のパーソナリティ(人間力)。うーむ。Jリーグは有名サポーターでSNSに詳しい人を広報大使として採用するのが一番いい気がしてきた。では、私がガンバサポーター広報大使に立候補しよう。

関連記事:JリーグサポーターがWEBで情報発信をする意義




【書評/読書感想】「次の野球」(横浜DeNAベイスターズ)

「ヤンキースのユニフォームにはなぜ選手の名前がないのか?」に引き続き、今回も野球本。他スポーツ界から学べる事は多い。日本プロスポーツの歴史においてはプロ野球がJリーグの大先輩であり、市場規模も大きい。また、タイトルこそ「次の野球」となっているが、内容は「スポーツ観戦にどう付加価値を付けるか」というアイデア集なのでどのスポーツファンも楽しく読める一冊となっている。

「ヤンキースのユニフォームにはなぜ選手の名前がないのか?」にも記載があったが「野球に興味がない人をどうスタジアムに連れてくるか」という視点があるのが面白い。ネタバレにはなるが、本のイメージを持ってもらうために本書内で記載されている具体的なビジネスアイデアを数点紹介。

次の野球

■面白アイデア集

「宝くじシート」
→チケットに宝くじが付いている。

「ヒーローカルチョ」
→勝ち投手やホームラン予想など。

「試合に勝ったらファンが監督を胴上げ」
→選手とファンの一体感生まれそう。

「応援団が内野」
→サッカーに置き換えると、メインスタンドでゴール裏の応援をするようなイメージ?シーズンに1回くらいあってもいい。

「ファンのヒーローインタビュー」
→面白ゲーフラを掲げていた人にインタビュー。

「コンコースが動物園」
→試合に飽きた子供のために。

「海外に第2フランチャイズをつくる」
→Jリーグだと東南アジアかな。

「ファン参加型ネット経営会議」
→ライトファンの意見はスルーされがち。

「カメラ席」
→応援したいのではなく、写真を撮りたいという人は結構多い。SNSでの広がりも期待。


このような面白アイデアが可愛らしいイラストと共に143個紹介されている。30分で読み切り可能。スポーツビジネスに関わっている方はビジネスアイデアを考える刺激としてどうぞ。

※関連記事:【書評/読書感想】「ヤンキースのユニフォームにはなぜ選手の名前がないのか?」(鈴木友也)





東京国際フットボール映画祭「ベンジャミン・フランクリンの息子たち —アメリカン熱狂サポーターライフ—」

いつからだろう。スタジアムに行って選手より先にサポーターを観る習慣が付いたのは。昨年実施したインドネシア遠征ブラジルW杯遠征も最大の遠征モチベーションはサポーター観戦。「カオス」な応援をするサポーターの姿に憧れインドネシアへ、「ラテン」な応援をするサポーターの姿に共感しブラジルへ。

そして、今回はアメリカ人サポーター。バカみたいな軽いノリという印象。勝っても負けてもビール片手に「ヒュー!」とか言ってそう。「USA!USA!」と連呼する姿が「We are Reds」と多少重なって見えるのも微妙。ただ、最近アメリカサッカーが熱いという情報は漏れ聞こえていた。そそられる「熱狂サポーターライフ」という副題。食わず嫌いはよくないと思い、数年ぶりのフットボール映画祭りへ。

フットボール映画祭 秋葉原

■Jリーグ百年構想のイメージビデオかと思った

ジャンルはドキュメンタリー。クラブが存在しないタイミングでサポーター団体を結成。仲間集め→権力者(キーマン)からの支持→行政からのバックアップ→地域の賛同→経済的逆境→幸運→クラブ設立→スタジアム建設→地域発展へ・・・という川淵さんが講演会で話しそうな物語。サポーター、新聞記者、GM、行政関係者、市民・・・等々の関係者インタビューを中心に構成された90分間。サッカーを知らなくても、地域社会学とか好きな人は絶対楽しめる。

上映後のトークショーでは「アメリカならではのエピソードだよね」というコメントがあったが、Jリーグサポーターも共感するポイントの多い映画だと思う。この映画における後半のメインテーマである「スタジアム建設で地域の治安が改善される」なんて鹿島アントラーズの「カシマスタジアム出来たら暴走族減りました」とほぼ同じ。他にも、近隣都市とのライバル意識、クラブコンセプトと地域の歴史、スタジアム建設と経済状況・関係各所の思惑・・・等々、「うちと同じような事になってるな」という感想を持ったJリーグサポーターは多いはず。Jリーグを理解する上でも知って損はない基本(共通)情報満載の映画で、スポーツビジネスの教材としても使えそう。

とはいえ、最大の見所は奮闘するサポーター達の「熱い想い」。なぜ彼らがあらゆる犠牲を払ってクラブに対してあそこまでの愛情を注げるのか・・・。そこはサポーター以外の人はこの映画を観ただけでは理解できないかもしれない。この映画でもその部分は深堀されていない。サポーター団体のリーダーが妻から「サポーター or 夫」の二者択一を迫られたという話は改めてサポーター活動が他の色々な事を犠牲にしているという事を痛感させられる好エピソード。一方で、サポーター活動と同レベルで大切なものが世の中に存在するのかと疑問に感じてしまうのは私が独身だからなんでしょうか。

関連記事:【全文掲載】社内報に自分のサッカー観戦ライフを書いた話




WEBサッカー動画メディアのセミナーに参加してきた話

WEBで動画コンテンツを配信するサービスの部署に異動して数カ月。利用者としては便利なWEBサービスも、提供者の側に立つと難しい言葉や仕組みの話のオンパレード。会議中、難しい話になると減る口数。一方で増える仕事。そんな中見つけた「WEBサッカー動画ビジネスセミナー開催」のメールマガジン。行って学ぶしかない。お邪魔してきました。

■増加するWEBサッカーコンテンツ

「サッカー」「WEB」「アプリ」など自分の仕事とシンクロ率の高いワードに惹かれてセミナーに来たはいいものの、30代の参加者は多分、私1人。周りはスポーツ業界就職を夢見る学生の皆様方。手渡される「インターンシップ参加募集」のパンフ。該当する項目がないアンケート。場違い過ぎて運営の方々に非常に申し訳ない気持ちなった。

ただ、せっかく会社を早く抜け出して参加したので話は真面目に聞いた。学生向けに話されていたのでWEBの知識に乏しい私でも理解できる内容。今回の講師はオリジナルWEB動画コンテンツを配信されている「Footi」を運営されている株式会社フォトメの皆さま。

講義の中心は配信されているコンテンツ説明。「ネットの世界は質より量」や「TVではできない」といった言葉と共に個性的なコンテンツ(番組)製作の裏側を説明頂いた。将来的にはこうしたコンテンツをフックにWEBサッカー動画界のプラットフォームを目指していると。

自由度が高い・・・・そういったコンテンツの多様性がサッカー界に生まれるのは素晴らしい事だと思う。もちろん、多様性≒競争激化なので、近い業界にいる人間としてヘラヘラしている訳にはいかない。誰でも比較的簡単にメディアをもてる(情報発信できる)時代で個性的な無料コンテンツは脅威。アイデア次第で予算の差を凌駕するコンテンツなんてバンバン生まれる。

アイデア次第で数年後の業界勢力図なんてどうなっているか分からない。危機感を持たなければ。ちょくちょく参加するこういうセミナーに出ると野心の差を感じる。自分のぬるさを痛感する。

関連記事:違法視聴がJリーグを潰す -無料でJリーグを観ている貴方へ-



【書評/読書感想】「ヤンキースのユニフォームにはなぜ選手の名前がないのか?」(鈴木友也)

スポーツビジネス本。ヤンキース、レッドソックス、ドジャースのMLB3球団の事例を中心に球団経営哲学が紹介されている。印象的なのは一見スポーツとは直接的には関係ない顧客満足度を高めるアプローチの数々。Jリーグでは川崎フロンターレがそういうアプローチをしているクラブの筆頭だと思うが、スポーツ観戦がメインではない人もスタジアムに集めようという発想は斬新。

そうしたアプローチの中で特に面白かったのは「Fun is Good」のスローガンで独立リーグながら経営に成功しているセンイツの活動を紹介している章。「お風呂に入りながら試合を観られる席」、球場内に「卓球台」・・・etc. 「スポーツを観なくても楽しいスタジアム」というアプローチはスポーツクラブが地域に根付く上で大切だと改めて感じた。

ヤンキースのユニフォームには

■スタジアムの在り方

新しいお客さんを呼び込む事も大切だが、タコツボ化が叫ばれて久しいJリーグにとって客単価を高めるという視点も重要である事は間違いない。身近な例で言えば、ガンバ大阪は「美味G横丁」の誕生でサポーターの来場時間が早くなったという事例がガンバ大阪前社長・金森喜久男氏の本の中で書かれてあったが、まずスポーツクラブが取り組むべきテーマはここかもしれない。

多くのサポーターにとってスタジアムでの過ごし方(食べるもの、買うもの)はある程度ルーティーン化されている。そういう熱心なサポーターにどうやって新たな出費をさせるのか。本書内では地元で有名なレストランをスタジアム内に誘致した例が紹介されていたが、地域貢献という視点からも同様のアプローチはJリーグでも非常に有効だと思う。

シーズンオフは意識的にサッカー以外のスポーツ本を読んでる。新しい発見が多くて楽しいのでオススメ。

関連記事:【書評/読書感想】「サッカー界における顧客の創造」(金森喜久男)