ガンバ大阪 10月まとめ

過密日程な10月。カップ戦ではターンオーバーを駆使しながら天皇杯は準決勝進出、ナビスコは決勝進出。結果と共にチーム力の底上げも成功する最高の結果を得た。リーグ戦では連勝はアウェイ柏戦で止まったものの、鹿島や川崎との上位直接対決には勝利。特に鹿島戦の勝ち方はここ数年でのベストゲームとの評価も。

そして、ナビスコ決勝や浦和との直接対決が控える勝負の11月へ。

■Jリーグ第27節:対鹿島アントラーズ
「仕上げのリンス」
http://7additionaltime.jp/blog-entry-622.html




カシマスタジアム もつ煮

■ナビスコカップ準決勝第1戦:対川崎フロンターレ
「余計なアウェイゴール」
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■ナビスコ準決勝第2戦:対川崎フロンターレ
「ナビスコカップ決勝の思い出」
http://7additionaltime.jp/blog-entry-624.html



ガンバム

■天皇杯準々決勝:対大宮アルディージャ
「ターンオーバーがもたらす好循環」
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■Jリーグ第28節:対川崎フロンターレ
「過密日程の中で大切になること」
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※仙台戦は川崎戦の誤りです。


■Jリーグ第29節:対柏レイソル
「もう敗因は考えない時期」
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■Jリーグ第30節:対FC東京
「タイトル奪取へ必要な宇佐美のゴール」
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【Jリーグ第30節】ガンバ大阪-FC東京@万博

【ガンバ大阪 2-1 FC東京】

浦和-鹿島が引き分けて、首位浦和との勝ち点差が3。今から11月22日(土)の浦和との直接対決の事を考えただけで緊張してくる。その前にはナビスコ決勝もあるし、なんて重要な1ヵ月間が待ってるんだ。試合前から緊張できるシーズンは何年ぶりだろうか。W杯中断前までは想像すらしてなかった。サポーター生活最高。

■宇佐美のゴールが優勝へは必要だ!

人生はドラマ。山あり谷あり。天才の名を欲しいままにしてきた宇佐美も実はこれまでのキャリアは山あり谷あり。元々メンタリティは強い選手だけど、苦難を乗り越えられるだけの経験も十分に積んでる。ドイツでの挫折、シーズン初めの怪我(W杯メンバー落選)と比べれば数試合ゴールが取れないなんて余裕で乗り越えられる。

宇佐美は「もっている男」ゆえに復活には相応しい舞台がある。そして、その舞台は11月に用意されている。見える・・・見えるよ。11月8日(土)、埼玉スタジアムでナビスコのお菓子1年分もらって笑顔をみせる宇佐美の姿が。11月22日(土)、浦和ゴール裏にふてぶてしく人差し指を口にしてゴールを喜ぶ姿も見える。

今のチーム状態でも十分戦えるが、ガンバのタイトル奪取に足りないモノを強いてあげるのであれば宇佐美のゴール。プレー自体は決して悪くないので後はちょっとした「運」や「きっかけ」で点は生まれる。全く心配していない。今から復活のゴールがどんなシュートになるのか楽しみで仕方ない。

P.S.この書きっぷりだと仙台戦はゴールしないみたいだけど、仙台戦でゴールして勢いつけてナビスコ決勝という形もアリ!

浜田満さん(Amazing Sports Lab Japan)のサッカーセミナーに行ってきた話

密かにそれなりの頻度でスポーツビジネス関連の講演会やセミナーは参加している。学生時代は将来のキャリアを見据えての参加だったが、30歳を越えてから1つの趣味としての参加という感じ。最大の趣味であるサッカー観戦をより広い視野で楽しむための修行的な意味合いもある。

今回は浜田満さんのセミナーに参加してきた。一言で表すなら「欧州サッカーと日本サッカーをつなぐ仕事」をしているAmazing Sports Lab Japanという会社の代表。多分、サッカーファン的には会社名よりも「サッカービジネスほど素敵な仕事はない―たった一人で挑戦したFCバルセロナとの取引」というサッカー本の著者としての方が馴染みがあるかもしれない。

■日本サッカーを強くするために

約2時間のセミナーは「欧州サッカークラブから考える日本サッカーの今後」がテーマ。ご自身の経験をベースに日本サッカー界が何を必要としているのか、何を与えるのかが適当なのかを考え、ビジネスにされているかという話。浜田さんをお仕事のベースには「日本サッカーを強くしたい」想いがあり、それに対する答えとして「育成」関係の仕事がメインになられているとの事。日本が強くならない事には日本サッカー界のマーケットが広がらないというマクロな視点も。90分くらいはビジネスというよりも育成論の話で、サッカーを知らない人は辛い時間だったかもしれない。

その仕事の具体的な形が欧州クラブとのプレシーズンマッチであり、若い選手(ex.バルサの久保君)の留学支援、遠征支援、大会開催。浜田氏は「日本では選手が育たない(だから、欧州サッカーの刺激を与える事が必要)」という考えもお持ちで、日本サッカー界には存在しないという年代別の細かい育成メソッドについても図を用いて説明頂いたが説得力のあるものだった。どの話もオリジナリティがあるもので(欧州ではスタンダードなのかもしれないが)、それゆえサッカー界で存在感が出せるんだろうなと感じた。

サッカー界を知り、未来を予想して、アプローチする。サッカー界のどの分野に入っていくのか。どこが空いているのか。私はサッカーをビジネスにするつもりはないけども、情報発信をする1人のサポーターとして参考になる部分は多かった。トップランナーの言葉からよい刺激を頂いた。サポーター生活をさらに充実させようというモチベーションを得た。

※関連記事:【Jリーグ業界】クラブスタッフの転職・出向について
※関連記事:【書評/読書感想】「スポーツ業界の歩き方」(河島徳基)



【Jリーグ第29節】柏レイソル-ガンバ大阪@日立台

【柏レイソル 1-0 ガンバ大阪】

私が働く職場は比較的ラフな服装の人が多いのだけど、自分を律する意味で「襟付きの服を着る」「スニーカーは履かない」というルールを課している。ただ、雨の日立台というハードな条件を前に社会人生活で初めて後者の約束事を破って現地参戦。何かを犠牲にしなければ、何にも得られない。ゲーフラとユニフォームとタオマフと着替えを入れたビジネスバッグを持参し、昼過ぎにコソコソ退社。ガンバサポの労働時間は短い。

日立台ゴール裏からの景色

■この時期から敗因を深く考える事はしない

「負けに不思議の負けなし」とは野村監督(オリジナルは松浦清)の名言だけど、確かに負け試合時はいくらでも敗因を書ける。例えば、ナビスコを除くと後半戦の2敗は共にスタメンをいじった試合という結果に対しての疑問が全くわかない訳ではないし、フィニッシュの部分における宇佐美のプレーに物足りなさを感じるもの事実。一方で、連勝の要因はターンオーバーを上手く使えていたからであり、宇佐美の決定力であったりもする。勝敗は紙一重の差。今日の勝因は明日の敗因。もう時期的にも今までの自分達のやり方を貫く以外の選択肢はないのである。

ゆえに気をつけるべきは選手もサポーターもコンディション面のみ。ぐっと下がった気温に雨。試合終了後から強くなる体の震え。午後休を取った理由がJリーグ観戦である事が職場にバレている以上、私は風邪を引いても会社を休む訳にはいかない。選手達も同様。日曜日にはまた試合が待っている。気持ちを切り替えて先に進むだけ。

P.S.本日のアウェイグルメは「麺屋こうじ」のつけ麺。柏のラーメンと言えば個人的にはここ。

柏レイソルグルメ「麺屋こうじ」

【書評/読書感想】「サッカービジネスの基礎知識 -Jリーグの経営戦略とマネジメント-」(広瀬一郎)

「スポーツビジネス界の第一人者」とお呼びしても過言ではない、お馴染み広瀬一郎氏の一冊。金森喜久男前ガンバ大阪社長の本を読んで、改めてJリーグを学びたいという想いに駆られ読みなおした。

本の内容は大きく2つ。1つはJリーグがスタートする上で諸々の制度設計がどのような過程で作られたのか。もう1つは「ボスマン判決」や「ユニバーサルアクセス権」、「欧州CLの誕生」など世界のサッカー界にとって重要なトピックスの解説。本書で紹介されているテーマは「基礎知識」というタイトル通り、Jリーグに関しても、欧州サッカーに関してもサッカー好きなら一度は聞いた事がある話ばかりだが、時系列で時代背景などもふまえながら読み進めると理解が整理される。

サッカービジネスの基礎知識 広瀬一郎さん

■サポーターの声に説得力を

Jリーグが来シーズンから2ステージ制になり、秋春制の導入も時間の問題。そうした変化に対してサポーターからの反対意見は多いものの、本質を理解していない的外れな反対意見も多い。私も常日頃Jリーグ関係のニュースに対して好き勝手言ってるサポーターの1人だが、そうした意見に客観性や説得力を持たせる意味でもこういう本を読むようにしている。

また、「スポーツビジネス」が流行してそれなりの年月が過ぎたが、そろそろスポーツビジネス英才教育を受けた世代が登場してくるのでないかと期待している。そうした人達にJリーグが沢山儲かる仕組みを作ってもらって、早く2ステージ制のようなJリーグの魅力半減な制度を撤回してもらいたい。

P.S.本書内でJリーグ開幕期におけるプロモーションで明石家さんまさんの協力が大きかったという話が出てくる。博報堂が頑張ったという話も出てくる。時代は変われば価値観も変わるけど、過去の功績を知っておくのは大切。

※関連記事:【書評/読書感想】「Jリーグ再建計画」(秋元大輔)




【Jリーグ第28節】ガンバ大阪-川崎フロンターレ@万博

【ガンバ大阪 1-0 川崎フロンターレ】

水曜日の天皇杯はメンバーを大幅に入れ替えていたとはいえ連戦の疲労は残っているだろう中、快晴のデーゲーム。コンディションが戻らなかったのか明神はスタメンを外れ、体力的には厳しい試合になるかと思ったら逆に後半に盛り返す展開での完封勝利。決して出場選手全員のパフォーマンスが良かったとは言い切れない中でも勝ちきれてしまう強さ。メンバーは大きく入れ替わっても勝者のメンタリティ復活の気配。川崎3連戦はナビスコ&天皇杯共に勝利という最高の結果に。タイトルを獲った事のあるクラブとないクラブの差が出た。

■コンディション維持のために

優勝争いをしている緊張感や勝ち続けている充実感が連戦の疲労を薄くさせているのか。我々サポーターの行動で例えると、首位攻防戦のような試合は冬開催の試合でも薄着で応援しちゃう的な。08年におけるACL後の天皇杯の様な体は疲れているもののレベルの高い相手との試合が続く事で感覚が研ぎ澄まされる状態にチームがなれば素晴らしい。

そして、そうした状態を生みだすアシストをする上でサポーターの作りだす雰囲気も重要なはず。次節の柏は平日アウェイ、その次はこの時期に日曜日ナイター。ナビスコ決勝は大阪からは遠い埼玉だし、天皇杯準決勝も平日味スタ・・・とサポーター的にもハードな条件が続く試合が続くけど、優勝争いを応援できるのはサポーター冥利に尽きる。あと2ヶ月間、サポーターも頑張りましょう!

【天皇杯準々決勝】ガンバ大阪-大宮アルディージャ@万博

【ガンバ大阪 2-0 大宮アルディージャ】

ガンバサポの夜は遅い。関東サラリーマンガンバサポの私は深夜1時の録画放送まで情報遮断して観戦。ミッドウィークに深夜3時就寝は辛いのであります。正直、今日の通勤は午前中ベンチスタートがありがたいのだけど、うちの会社はガンバ大阪ほど選手層も厚くなく、サラリーマンの世界にはターンオーバーの考え方はないので今日も頑張って出勤。

しかし、サラリーマンの5連戦→中2日→5連戦は過密日程過ぎだ。

■手堅いチームマネジメント

この試合は当然ターンオーバー。可能な限り主力を休ませたスタメンながらもチームの勝負強さは健在。相手もメンバーを落としているという側面もあるものの、完封勝利は十分評価されていいもの。ナビスコしかり、天皇杯しかり、総力戦で勝ちあがっているのはチームの雰囲気的にも盛り上がるはず。

相変わらず難しい試合ほどリーダーシップを発揮する倉田をはじめ、スタメンでも(MFでもFWでも)試合にスムーズに入れたリンス、ターンオーバーの試合で結果を出す佐藤・・・と、毎回連戦では疲弊するよりもチーム力が底上げされているポジティブな印象をもつのは長谷川監督のマネジメント能力の賜物か。

そして、土曜日にはまた試合。過密日程だけど、精神的にはむしろ勢いをつけて試合に挑める感じ。この試合に刺激を受けた主力選手達の活躍期待。好循環ですなー。

P.S.大阪ダービーで天皇杯決勝はなくなったか。まあ、最初から可能性は低いと思っていたけど。

【ナビスコカップ準決勝第2戦】川崎フロンターレ-ガンバ大阪@等々力

【川崎フロンターレ 3-2 ガンバ大阪】※2戦合計4-5

不安適中で第1戦でのアウェイゴールの影響をもろに受けた試合展開ながらも、なんとか決勝進出。馬鹿試合というか、カップ戦ならではというか・・・難しい試合だった。川崎が序盤から攻撃的にくるのは分かっていたのに対応策をあまり感じないまま序盤に失点という最悪スタート。失点後も展開変わらず、森島のヘディングシュートがギリギリ枠を外れるという危険なシーンも。あのヘッドが入っていたら・・・・あそこがターニングポイントだった気がする。

1-1に追いついた時点で逆に一気にガンバ有利になったし、2-1になった時点で圧倒的有利になった。前半終了間際のジェシ同点弾もダメージ少。ただ、後半立ち上がりの失点がいただけなかった。なぜ前半と同じ過ちを繰り返すのか。あの3失点目で一気に試合をハイテンションなものにしてしまった。イケイケの雰囲気の中、中村憲剛投入という燃料も投下されて、4失点目が入っていたら負けていたかもとは少し思う。

結果的には川崎がスタメンや戦い方を変えてきた第1戦前半の出来が勝敗を分けた形に。本来の力を出せば間違いなく強い相手である事はこの試合で認識したので、週末のリーグ戦での再戦にむけて今日の試合をよい教訓しないといけない。とりあえず、連戦による疲労感が完全に濃くなっているので水曜日の天皇杯はメンバー入れ替え必須で。

等々力改装
G.W.以来の等々力に来たらメインスタンドの工事めっちゃ進んでた

■ナビスコカップ決勝の思い出

ナビスコカップ決勝には強い思い入れがある。私事ながら関東アウェイデビューが2005年のナビスコカップ決勝。実を言うとゴール裏デビューも2005年ナビスコカップ決勝。単身、大阪から夜行バスに乗って行き、初国立のピッチを観た時の感動は今も忘れない。結果的にはPKで負けちゃう訳だけど、弱小クラブだったガンバが決勝戦という舞台で戦っている姿を応援できた感動は今のサポーターとしての自分のベースとして残ってる。延長戦でハッシーが足を攣りながらもファイトしている姿に試合中ながら涙が出た事もよく覚えている。ただ試合を楽しむファンから「俺もクラブの力になりたい」という気持ちが芽生えた瞬間だった。

そして、07年決勝はゲーフラデビュー。試合前に流された05年決勝敗戦の映像を使った煽りVTRに初めて試合前に感極まって涙を流すという恥ずかしい経験も。試合前に泣く芸はネイマールより私の方が先。今思い返すとナビスコカップ決勝は泣いてばっかり。

初ナビスコカップ決勝から9年。上京して関東ガンバサポとなり、アウェイは日本だけにとどまらず海外にも遠征するようになり、ゲーフラは3代目。結構な時間が過ぎた。個人的にはこの間に色んな経験をし、過去2大会ほどの感情の高まりは経験しない気がするので、もし泣いている人がいたらハンカチを渡してあげるくらいの余裕と共に埼玉スタジアムに向かうつもり。

ガンバム
07年ナビスコ決勝で初めて作ったバカみたいなゲーフラ

関連記事:【ナビスコ準決勝第1戦】ガンバ大阪-川崎フロンターレ@万博



【ナビスコ準決勝第1戦】ガンバ大阪-川崎フロンターレ@万博

【ガンバ大阪 3-1 川崎フロンターレ】

勝ったのだから必要以上にネガティブになる必要はないものの、アウェイゴールの失点は完全に余計だった・・・攻撃にストロングポイントがある川崎が相手だけに痛恨の失点。まあ、第2戦でガンバが川崎に完封される可能性も低いとは思うけども、0-2で敗退だもんな・・・・。後半、3-0からの戦い方は来シーズンのACL決勝トーナメントでの戦いを見越しても大いに反省すべきポイント。ネガティブと既にACL出場を信じて疑わない楽観が混ざってる心理状況。

■相手の長所を消す

ガンバも川崎もイメージ的には「相手の事は気にしない。自分達のサッカーをするだけ!」的なチームだと思うけど、当試合に関して勝敗を分けたのは相手の長所をどちらが上手く消せたかなのかなという気もしてる。パトリックが井川に止められなかった一方で、米倉を中心にレナト対策はバッチリだった(3-0になってからは気が緩んだけど)。米倉の守備時における体の向きや味方のサポートを見ていても事前に対策をしていたのは明らか。

そういう試合を経て、セカンドレグはどういう戦い方になるか。川崎は中村憲剛が戻ってくる&ホームという事でいつも通りのスタイルに戻る気がするが、2点のアドバンテージがあるガンバがどういう試合の入り方をするのか。入り方を間違えれば2点のリードが逆に足かせにもなりかねない。この試合も立ち上がりは決して良くなかったし、意識を統一して試合に挑んで欲しい。

関連記事:【書評/読書感想】「僕がバナナを売って算数ドリルをつくるワケ」(天野春果)



【書評/読書感想】「僕がバナナを売って算数ドリルをつくるワケ」(天野春果)

川崎フロンターレとの3連戦を前に読みなおした一冊。タイトルからは何の本か分からないけど、一応、サッカー本。ただ、中身は「サッカー(川崎フロンターレ)という武器を使って、いかに地域を活性化するか」がメインテーマ。Jリーグサポーターにはお馴染の川崎Fの面白企画が実現に至るまでの過程やその企画に対する想いが紹介されている。

僕がバナナを売って計算ドリルをつくるワケ

■「多様なきっかけ」と「楽しむ事」

最近、連続してこの手のスポーツビジネス本を読んでいる中で共通するキーワードを2つ見つけた。1つは「きっかけ」を沢山作るという点。

川崎Fの例で言えば、「動物園をスタジアムに呼ぶ」という企画は子供を動物園きっかけでサッカー観戦させる事ができるし、時には対戦相手のスター選手をフィーチャーする事で興味を喚起させるなど川崎Fはこのきっかけつくりの意識が高い。

コアサポーターから見れば「川崎Fは馬鹿な企画ばっかりやって試合の緊張感をそいでいる」と思ってしまう部分もあるだろうし、実際そういった弊害もあるのかもしれないけれど、それ以上に多彩なアプローチが新たなファンを生んでいるメリットの方が大きいのだと思う。

もう1つは「社員(企画仕掛け人)自身も楽しんでいる」という点。勿論、遊びではなくビジネスなので成果を上げなければ意味がないものの、本書で紹介されている様々な企画に対して川崎フロンターレのスタッフが本当に楽しいものになると心から思っている事が伝わってくる。だからこそ、実現にむけてハードルが生まれても頑張れるし、協力者も増えるのだと思う。某アイドルプロデューサーが「マーケティングなんて不要。自分が面白いと思ったものをやるのが一番」的な事を発言していた事を思い出した。

アイデアをどのように生みだすかという啓蒙本としても十分楽しめる一冊。刺激になった。ガンバもいつかこういう本が出せる時がくればいいな。

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【Jリーグ第27節】鹿島アントラーズ-ガンバ大阪@カシマ

【鹿島アントラーズ 2-3 ガンバ大阪】

両親に電話して「俺をガンバサポーターとして育ててくれてありがとう」と伝えようかと思ってる。そういう試合。

スタジアムで「我を忘れる」ほど興奮できる試合には年に1度出会えるか否か。2005年~2011年くらいまでのガンバはそういう試合が異常確率で発生していた黄金期だったと思うけど、降格昇格を経て、その黄金期以来のナイスゲームじゃないだろうか。上位対決でそういう試合が出来たという点においても感覚的には「いよいよ戻ってきたな」という感じ。

連勝していても上位陣との対戦がなかったゆえに自分達の実力を測りかねていた部分もあった。しかし、この試合で確信できた。完全に強い。3点目の瞬間には久々に涙が出そうになった。大袈裟ではなく、比較的真剣にこういう試合に出会うために生きてるかも・・・と、帰りのバスの中でしみじみと思った。

カシマスタジアム もつ煮
朝ごはんを抜いてスタジアムで食べた名物もつ煮

カシマスタジアム ハム焼き
もう1つの名物「ハム焼き」。これを美味しく食べるために黒烏龍茶も準備した

■仕上げのリンス


前節の「パットトリック」に続き、2014シーズン流行語大賞最有力の「仕上げのリンス」が遂に最高の仕上げを完遂。ファーストタッチから雰囲気ぷんぷん。ワンタッチ多くシュートまで持ち込めないシーンが続いたものの、ロスタイムに劇的弾。前半戦からの苦悩が最高の形で報われた。このゴールだけで契約した価値がある。試合が劇的なのは決勝点がリンスである事も大きい。

あの独特のリズムと大きなスライドのドリブルはガンバの大きな武器になりつつある。好調の背景には日本に慣れてきた事や、同郷のパトリックが加入した事など色々あるのだろうけど、シュートが決まりだすといよいよ覚醒の雰囲気もある。前半戦のリンスだけ考えれば、決勝点のゴールなど想像すら出来ない。その裏にあるリンスの想いや努力を想像すると・・・また涙が。あまり研究されていないであろう点も含め、ガンバ逆転優勝にむけて最後の切り札が誕生。逆転優勝待ったなし!

P.S.10月の雨はサッカー観戦的にはなかなかハード。12時半キックオフも含め疲労感がすごい。もう明日は台風も来ているし、社会人ガンバサポーターは全員休暇で。





【書評/読書感想】「社長・溝畑宏の天国と地獄」(木村元彦)

サッカーを書くライターさんで一番好きな木村元彦氏の一冊。丁寧に取材されている感がどの本からも伝わってくるので引き込まれる。

今回紹介する本は少し古い本ではあるのだけど、Jリーグの経営におけるリアルな部分を知る事ができる。歴代のJリーグクラブ社長の中でも1~2位を争う知名度を誇る溝畑宏氏が大分トリニータに「関わり続けた」15年間を追ったノンフィクション。地域・市民主導ではなく官主導で生まれた「大分トリニータ」の歴史は資金集めに苦労する歴史。その中で溝畑氏がどうやってスポンサーを集めていたのかが本のメインテーマ。

社長・溝畑宏の天国と地獄(木村元彦)

■両刃の剣・サポーターの声

本書では溝畑氏が凄まじいバイタリティーで巨大なスポンサーを続々と獲得していく様が書かれていて、スポンサーは大分トリニータにスポンサードするというよりも、溝畑氏のパーソナリティに惹かれて協賛している事を知る事ができる。クラブへの貢献度とという部分で未だに誤解と偏見でもって語られる事の多い溝畑氏において本書を読めば印象がだいぶ変わってくるはず(※木村元彦氏の本は我那覇和樹のドーピング冤罪を扱った「争うは本意ならねど」など世間が誤った認知をしているものをテーマにしているのが多い気がする)。

ただ、ご存じの通り、最終的には溝畑氏は社長をクビになり、クラブはJリーグから借金をする。溝端氏がどれだけ頑張ってもスポンサー企業が業績不振に陥ったり、話をつけた企業をJリーグがスポンサーとして認めないなど、全て溝端氏の責任とは言い切れない要素が多くあり、その背景が詳しく書かれている。

そんな不運続きの中でも一番気の毒だったのは「フォーリーフ(スポンサー企業)」に対してサポーターがスタジアムで中傷の横断幕を出した事件。当然、サポーターも考えがあってのアクションだったとは思うのだが、結果的には自らの首を絞める事になる。

大分トリニータを長く支えたマルハンの心をひきとめたのもサポーターの声なら、新たなスポンサーを失ったのもサポーターの声。サポーターの在り方を考えさせられた。

この事件を改めて読み返して思ったのは、Jリーグの2ステージ制に関する各Jクラブサポーターの反対騒動に似てるなという事。2ステージにしなければJリーグが得る金が大幅に減ってしまうという事を反対活動当初にどれだけのサポーターが認識した上でアクションを起こしていたのか。「サポーターがあれだけ反対しているので」とスポンサー(放送局)に降りられていたらJリーグの未来はどうなっていたのか。

サポーターが悪いという話ではない。サポーターの1つ1つのアクションが大きな影響力をもっているという事。それはとてもリスキーな事だとも思う。クラブとサポーター間のコミュニケーションの重要性を再認識した。

P.S.表紙の写真は歴代のサッカー本の中でも1位だと思う。

※関連記事:【書評/読書感想】「Jリーグ再建計画」(秋元大輔)