【Jリーグ第4節】ガンバ大阪-サンフレッチェ広島@万博

【ガンバ大阪 1-1 サンフレッチェ広島】

■ヤットの今後の起用法

「ナビスコカップ勝利の勢いをそのままリーグ戦にも」というのはガンバサポーター共通の想い。監督も同じ想いだったのかナビスコ好調組の阿部、明神、リンスをスタメンに抜擢。佐藤が外れてFWヤット再び。ヤットFW起用の意図は良く言えば「ヤットの守備の負荷を軽くしたい」、悪く言えば「ボランチ起用での守備は計算できない」ってところか。FWの相棒が前への推進力があるリンスである事、裏に飛び出せる阿部や倉田といった選手達が2列目にいる事を考えれば、浦和戦のような攻撃の手詰まり感はないとも判断したのだと思う。

結果は及第点。ヤット個人で考えれば得点という結果を出したので合格点という事になるのだろう。現状のチームでは密かにヤットは使いどころが難しい選手になっているような気もするけど、生き残る選手というのは誰の目にも明確な結果を出すんだなと。

しかし、ヤットFWはいつまで続けるんだろう。先週発売された某サッカー誌で宇佐美の4月中復帰の可能性が報じられた事で、宇佐美復帰後のヤットの使いどころを考えてしまう(まあ、今考える事ではないのだろうけど)。開幕前に準備していた宇佐美&ヤットの2トップ、リンス2列目という組み合わせに戻すのか。それとも、序々にフィットの兆しを見せ始めているFWリンスをそのままに宇佐美と2トップなのか。そうなると、ヤットは守備面を考慮して2列目起用が監督的には(表現が正しいかは分からないけど)落としどころという判断になると思うけど、今節攻守に貢献度の高かった阿部以上のハードワークを求めるとなるとレギュラー争いは簡単ではない。バイタルエリアでのチーム随一のクオリティの高さとセットプレーキッカーとしての役割もあるので簡単にスタメン落ちという可能性はないだろうけど、同じような役割であればフタも十分できる(フタのFW起用の方がリンスが活きる可能性があるのではないかとも)。

本職であるボランチでは、明神-今ちゃんのコンビが2試合連続で好連携。おそらく長谷川ガンバで最優先されるであろう守備面で、ヤットにあの2人が出したインターセプト数やタックルでのボール奪取数を求めるのは酷。そして、ウッチーへの評価も高いという状況。

チーム状態は今後も高まっていきそうな予感。今節も手応えの感じる内容。そういうチームにおいて、ヤットがどういう役割を果たしていくのか、監督がどのような役割を求めていくのか。ヤット自身のパフォーマンスは決して低い訳じゃない中で捉え方次第ではネガティブなテーマではあるものの、密かに注目ポイントだと思っている。

【ナビスコカップ第1節】ガンバ大阪-ヴィッセル神戸@万博

【ガンバ大阪 2-0 ヴィッセル神戸】

なぜだか初勝利みたいな感覚。「初日が出ました!」みたいな。4試合で3回目の完封試合という嘘みたいに守れる守備への手応え以上に前節から大幅に増えたシュート数や、今シーズン初の複数得点に対しての感情が強いゆえだろうな、きっと。

まあ、先制点はリンスの個人技だし、先制後にあった複数回の決定機は相手が前がかりになった事という要因も大きく、チームで崩したというシーンは実は少ない。だから、諸手を挙げて「ガンバの攻撃性復活やー」とは喜べないけども、今後チーム状態を上げていく上でのきっかけには十分なりうる。ナイスゲーム。仕事を休んだ甲斐があったよ。

■キーマンのゴール

テスト的な意味合いが強いメンバーで挑んだ今節。複数のポイントがあった試合だったと思うけども、どれも及第点だったのはチームの総合力向上の面で大きい。米倉のサイドバックしかり、西野・阿部といった準レギュラー陣がいつでも使える状態である事を確認出来た事しかり。

その中でも一番重要なテストであった「リンスのフィット」で結果が出たのが言わずもがな最大の収穫。ボールを受けられる形が増えているし、ゴールを決めてからはプレーに気負いがなくなったようにも見えた。ゴールが全てを好転させる事例は過去に何度も観てきたけど、このゴールでリンスは精神的に開放されたに違いない。奥さん、来日してくれてありがとう。

ナビスコカップの予選なんて何年ぶりか記憶が定かではないけども、こういう真剣勝負の場で公的に(?)テストができるのは面白い。ナビスコカップの存在意義を感じた一戦でもありました。ナビスコさん、ありがとうございます。末永く宜しくお願い致します。

【Jリーグ第3節】ベガルタ仙台-ガンバ大阪@ユアスタ

【ベガルタ仙台 0-0 ガンバ大阪】

さすがに3試合目ともなるとこの守備的なスタイルも見慣れてきますな。守備陣個々のパフォーマンスも高まってきている。東口も今シーズン初めてファインセーブが出た。ただ、あと7ヶ月間このサッカーをするのは精神的にキツイと思うのだけど選手達はどう感じているんだろうか。もう少し攻撃に希望を感じられない事には守備に対する集中力が持たないと思うのだが・・・。

■新加入選手が序々にフィットしてきてる事を心の支えに

そういう意味では後半の途中からの出場という事を差し引いてもリンス&米倉のプレーが共に今シーズンベストだった意義は大きい。両選手とも1人でボールを前に運べるプレーができるのが今のチームにとって本当に助かるし、逆にそういうプレーができない事には点を取れる気配がないのですわ。序々にチームに特徴を理解され始めている感があったのが今節最大の収穫。リンスは1点取れば変わってくるような気もするのだよ。

そして、ナイスタイミングだと思うのが水曜日にナビスコを挟んでいる事。ここはテストの場とすべき試合かなと。前述のリンスはキープも佐藤以上に出来ていたので十分スタメンで使える目途は付いているし、米倉は一度右サイドバックでのプレーが観たい(加地さんのイージーミスや寄せきれない守備のシーンが出てきているので)。西野も一度このあたりで使っておきたいところ。他にもヤットのボランチ起用、フタとリンスとホットライン構築、阿部ちゃんだってそろそろ・・・etc.

現状のチームに対しては賛否両論あるようで、全ての意見にそれなりに納得感はある。ただ、「スタイル」と「チーム状態」を混同して議論している感もあるなと思っていて、そこは整理したい。前者に関しては答えなし。賛否両論やむなし。後者に関しては、私はネガティブ派。守備がどんなけ安定しようがシュート1~2本のチームの状態が良い訳がない。

まあ、嘘か本当か「攻撃は水もの」らしいので、次節の神戸戦は勝敗以上に点を取るという事に対して良い感触をつかんで欲しいと思うのでした。

【Jリーグ第2節】アルビレックス新潟-ガンバ大阪@ビッグスワン

【アルビレックス新潟 0-2 ガンバ大阪】

内容はともあれ結果が大切なのだよ。結果を出す事で内容が改善されてくる経験は多々。先制した時の戦い方の上手さを確認できた事も収穫。正直、初勝利には時間がかかる可能性も感じていた中でJ1復帰初勝利の喜びは大きい。J2での1勝とは重みが違う。これが勝利の喜び。これが勝利の充実。90分間ずっとブーイングされた東口も達成感を持って大阪に帰っているに違いない。

■数少ない勝ちパターンにはまった一戦

「守」に重きを置き過ぎていた前節からどのようにバランスを取るかが今節のポイント。裏でボールをもらえ、前にボールを運べる倉田を最前線に、ヤットを一列下げ、フタに代えて米倉を2列目で起用したスタメンで修正も効果は微妙なところ。ただ、リンスがまだフィットしない現状を考えるとこの選択がベターである事も事実。

前半から先制点までの時間は攻守の切り替え早い新潟相手にレッズ戦以上にパスをつなげない展開。レオ・シルバの守備が強烈だったり、チームとしての完成度に明らかな差があったり、先制点くらっていたら完敗もありえた。そこで先制点を取られなかった事をチームの強さと捉えるか、アルビの逸機に助けられたと捉えるかで評価も違ってくるのだろうけど・・・私は後者かなぁ。楔のパスをシンプルに入れられる数も多かったし、守備は最後の最後で守り切れたけど、チームとして守れれていたという感じはレッズ戦時ほどしなかった。もちろん、マクロな目線であれば大幅に改善されてるけどね。

そういう展開でセットプレーで先制、カウンターで追加点というのは現状のチームにおいて数少ない勝ちパターンにはまったと思う。この戦い方で安定的に勝ち点を積み上げられるとは思えないので、引き続き攻守共により良いバランスを探る試合が続くんだろうな。

ただ、収穫もあって、特に2点目を決めた大森は2試合連続で途中出場から試合のリズムを変える事に成功しているし、先日のサポミで語られていた「ジョーカーがいない」という弱点を克服する存在になりえる。前述の通り、先制点後のサッカーは得点の可能性を感じさせるものだったし(当然と言えば当然だけど・・・)、内容に進歩がない訳ではないので後味の悪い勝利では全くない。

次節は仙台。監督が変わってチームの完成度はさほどまだ高くないであろうチームとこの時期にやれるのは悪くない。このあたりでそろそろリンス初ゴールが出てくるとチームに勢いが出てくるんだろうけどなー。

【書評/読書感想】「勝利のルーティーン -常勝軍団を作る、習慣化のチームマネジメント-」(西野朗)

遂にJリーグが開幕しました。今シーズンも色々と注目点はあると思うのですが、個人的には我がガンバ大阪の動向以外では西野朗監督のグランパスでのチャレンジに注目しています。ガンバでの10年間が西野監督の株を高めた訳だけど、ヤットやフタ、ハッシー、智とタレント的にも選手は揃っていた中の結果であり、本当に手腕が問われるのは今回のチャレンジではないかと。

という事で、そんな新たな西野朗監督のチャレンジをより楽しむために西野さん本人著「勝利のルーティーン」を読んだ。タイトルの通り、西野監督の監督業の哲学がつまった一冊となっております。

「私が10年間率いたガンバ大阪は、最終的に、本当にスペシャルなチームになったと思う。」

という言葉からスタートする本書は表紙のカバーが青色だったり、構成担当が佐藤俊さんだったりからも分かる通り、完全にガンバ本。グランパスサポも西野監督の哲学を探る意味では読めると思いますが、具体的事例のほとんどがガンバのエピソードですのでご注意を。具体名もバンバン出てくるし、ガンバサポはちょっとした暴露本としても楽しめます。個人的にはヤットに関する記述はお互いに実力は認め合っているけども、同時に微妙な距離感も感じさせるような・・・まあ、深読みし過ぎなのかもしれないけれど。

勝利のルーティーン(西野朗)


■西野朗とガンバ大阪の相性の良さ。そして、マンネリズム


西野監督は戦術に選手を当てはめるタイプではなく、選手の特性から戦い方を模索するタイプ。ただ、理想としての戦い方は持っており、それは「攻撃的」という言葉でも表現できるし、「バルセロナ(クライフ)」の影響も強く受けている事は自他共に認めるところ。それはアトランタ五輪日本代表での守備的な戦い方が批判された事が背景にあるのは有名な話で、攻撃的なスタイルで見返したいという想いを持っている中でそうしたスタイルが合う選手達(しかも、若い)が沢山いるガンバからのオファーがあった事は幸運だったし、西野監督がどういうアプローチでチームを作ろうが最終的には今のガンバのスタイルは確立された気がする。西野監督自身もガンバに関して本書で「相思相愛」「運命的」という言葉で相性の良さを書いている。

ただ、そんな西野とガンバにも終わりが訪れる。長期政権ゆえのマンネリについての苦悩が書かれてある第3章が本書最大の読み所。08年のACL制覇をきっかけに一種のバーンアウトに陥っていたチームを更に成長させたいものの、高レベルに達しているチームを変える難しさがあったと回想。本書のタイトルでもある「ルーティーン」の結果が当時のガンバであって、そこを変えるリスクを西野監督は選ばなかった。実際、変えるという選択をクラブが取ったセホロペ体制では降格という結果に至っているので結果的に西野監督は正しかったのもかしれない。

一方で、リーグ優勝が求められているチームにおいて05年以降リーグ優勝できなかった事も事実で、優勝のために何かを変えなければならなかったけど、変えられない西野監督を交代させたクラブの判断自体は悪くなかった。実際、西野監督自身も本書内で2010年シーズンは長期政権ゆえのコミュニケーション不足は認めており、新加入選手に対してもずっと一緒にいる選手達と同様の接し方をしてしまった事を「マンネリ」がもたらしたのかもしれないとして後悔している。何かを変えられる新加入選手達へのアプローチを間違えたのは痛恨だった。新加入選手がフィットしない事例は多々あったけど、こうした事実も少なからずあった事を知れた。

また、自身が築いたガンバのスタイルが確立しすぎて(?)、試合状況的にパワープレーなど違うスタイルで戦いたいと思っても選手達がついてこなかったという記述も。そのリーダーがヤットだったようで、いつの間にか西野監督以上に選手達が自分達のスタイルに拘っていたというのは何とも微妙。西野スタイルを実践できる選手達は強みでもあり、最終的には弱みにもなったのかもしれない。メンバー固定化の弊害としてJ2降格と共に忘れてはいけない経験。

■西野朗監督は名古屋グランパスで成功できるのか


完全に余計なお世話ですがね。正直、分からないし。ただ、考えるヒントが本書でちょっとだけ書かれているヴィッセル神戸監督時代の話。要は失敗談なのだけど、失敗の要因として「西野監督と神戸のスタイルのミスマッチ」が挙げられている。西野監督は前述で「戦術に選手をあてはめるタイプではない」と書いたものの、長年同じスタイルで戦ってきているチーム(神戸の場合はカウンター)に新しいエッセンスを加える難しさはあったようで、その点で前任者が長期政権だった名古屋は神戸と近い部分はあるかもしれない。(ガンバはこれで降格しました)

ただ、神戸と違うのはシーズン途中の就任ではない事と、技術的に神戸より高い選手が揃っている事。チーム作りは神戸時代よりはスムーズだと思う。それに攻撃的なスタイルが名古屋でも変わらないとして、ガンバではDFの選手から反発もあったようだけど、名古屋のDFリーダーが闘莉王であるという点からその心配も無さそう。いや、むしろ名古屋において闘莉王が一番攻撃的なので逆に西野監督がそれを抑えるという事態が発生するかもしれない。ガンバの専売特許だった「馬鹿試合」が名古屋に奪われる心配が出てきた。とりあえず、ガンバー名古屋の試合が今から楽しみ。

P.S.本書は上記以外にも、06年天皇杯決勝など具体的な負け試合を事例に挙げて書かれている「采配論」や、なぜ国内で活躍した外国人選手ばっかり獲得するのかが分かる「外国人選手獲得論」、オーナー制の神戸では確立できない「クラブ組織論」など結構細かく西野監督の哲学が書かれているので本当にオススメです。ガンバ関連本では過去一番面白かったかも。

関連記事①:【書評/読書感想】「一流のリーダーたちから学ぶ勝利の哲学 今すぐ実践したい指導の流儀」(長谷川健太)
関連記事②:【読書感想】「眼・術・戦~ヤット流ゲームメイクの極意~」(遠藤保仁×西部謙司)

【J1開幕戦】ガンバ大阪-浦和レッズ@万博

【ガンバ大阪 0-1 浦和レッズ】

出張先の北海道・新千歳空港でこれを書いています。スマホでブログ。気分は駆け出しアイドルでございます。という事で、開幕戦は残念ながら現地には参戦できず。PRONTでオンデマンド観戦。土曜の夜に長居してごめんね。

北海道で出会った雪だるまのゆるキャラ
北海道で出会ったゆるキャラ。本文とは関係ありません

■ベストな攻守のバランスを探る序盤戦


このタイミングでのブログ更新なので他ガンバサポブログは拝見していますが大体書いている事は同じ。要約すると「守備に重きを置き過ぎぃぃ」。確かに守備の安定がもたらす代償は大きすぎるように観えた。先週のPSMのレビューでは攻撃の選択肢の乏しさの理由に宇佐美不在を挙げたけど、解決策を「個」にもとめるのは違うかもしれない。この試合の戦い方を観る限りは誰が出ても同じような内容になった気がする。

守備をJ1でも十分戦えるレベルまで整備できたのは長谷川健太監督のさすがの手腕なので、この先は元々ポテンシャルとしてもチームコンセプトとしても持っている攻撃性とのバランスをどう取るか。昨シーズンも夏場は守備をある程度捨ててロチャを起用するような柔軟な采配ができる監督なので信頼してる。頼みます。

最後に新加入選手の話も少し。東口は説明不要。藤ヶ谷批判ではないけども、素人目にも明らかに分かる守備範囲の広さの違い。GKが変わるだけでここまで守備の安心感が違うのかと。確実にDF陣にも好影響を与えるはず。

そして、リンス。逆襲のキーマン・・・多分。スピード感乏しく、フィニッシュの迫力に欠ける今のガンバに足りないものを持っている・・・多分。レッズ戦は全くフィットしていなかったけど、キャンプ中はずっと右MFで起用されていた事を考えるとやむなし。我慢してFWで使い続ける事を望んでいる。リンスがどういうプレーができるのかで今後のシステム、戦い方が変わってくる。

なんでキャンプ中にFWでもテストしなかったんだろうか。