【Jリーグ第5節】サガン鳥栖-ガンバ大阪@ベアスタ

【サガン鳥栖 2-0 ガンバ大阪】

鳥栖よりレベスタ経由で帰宅。今年の九州遠征は福岡でのプロ野球開幕試合と日程が重なってたり、新年度直前の週末だったりで航空券が通常より高かったのが残念。しかも、負けるという・・・。博多の夜を満喫してもなおガンバサポの苛立ちはおさまらなかったようで、試合翌日には幡ちゃんのブログをきっかけにちょっとした騒動まで勃発する始末。

留学を理由にフラれた彼女が帰国直後に別の男と付き合った的な感じですかね。自分には彼女がいるけど、忘れられない的な?ちょっと優しくされて逆に嫉妬心に火がついちゃったみたいな・・・全然違うか。まあ、新年度スタートと共に気持ちを切り替えていきたいものです。

■あえて言おう。審判が憎いと

敗因はそこではないがね。ただ、90分間終始苛立ちを覚えていた事も事実で、選手もストレスを抱えながらの試合になった事は間違いない。そして、そのストレスは集中力の奪う一因にもなる。実際、1失点目は納得いかないファールの判定に大いに抗議した後のセットプレーの流れから豊田をフリーにしてしまった結果。審判抗議後のプレーで失点というのはサッカーにおける典型の1つ。特にこの試合は前半、空中戦をほぼ抑え込んでいただけに個人的にはメンタル的にダメージの大きい失点だった。

じゃあ、敗因をどこに求めるのかといえば「点が取れなかった事」以外にない。前半はかなりの数のパスを回すシーンなどガンバらしいポゼッションが観られるも決定機の数はやはり乏しく。「覚醒した(by 長谷川監督)」阿部ちゃんも前節ほどの輝きは見せられず、佐藤も起点になりきれず、リンスがたまに個人技でスタジアムを湧かせるも、それはバイタルエリア外でのプレーだったりで攻撃の迫力不足は継続中。チームの戦術(スタイル)に得点が取れない理由を求める傾向が強いけど、個の力で負けている側面もあるのではないだろうかとちょっと思い始めている。

「ヤットをボランチに」、「リンスを最前線に」等々の意見が飛び交っているものの実際はどうしたらいいか暗中模索状態。課題は明確なのに、解決策は不明というのは辛い状況。守備は引き続き良い状態ゆえに現在のバランスを大きく崩すようなトライはリスキーな気もするし、いきなり監督の手腕が問われる序盤戦でございます。

P.S.どの地方に遠征に行っても結局、ラーメンを食べてしまう私的に鳥栖(福岡)遠征はボーナスステージ。今回お世話になったのは「一幸舎」さん。空港でもお土産品が販売される人気店です。

一幸舎ラーメン

博多一幸舎外観

サッカーコラムの内容が全く記憶に残らない ~コラムの役割って何?~

私、サッカー雑誌の「コラム」が大好きなんです。

例えば、サッカー批評で連載されてる「ゴール裏センチメンタル合唱団(綱本将也さん)」はサポーター心理の描写が共感できるし、「サッカー星人(小田嶋隆さん)」は独特の言い回しが笑える。サッカーダイジェストで連載されている「蹴球百景(宇都宮徹壱さん)」は写真の魅力が文章でよりひきたてられる面白さがある。各雑誌の「編集長のひとこと」系のコラムも好きで、雑誌ではないけど川端暁彦さんがいた頃のエルゴラ一面のコラムは秀逸だった。

コラムが好き過ぎて、小田嶋さんとはお仕事でお会いする機会にも恵まれたし、一番好きなライターである川原崇さんにも会わせてもらえたし、PRの仕事の一環として自身も某サッカー雑誌でサッカー番組研究所というコラム(と呼べるような代物ではなかったが)を編集部の皆さんに校正してもらいながら書かせてもらっていた時期もあった。コラム愛は全国のサッカーファンでもベスト100位くらいには入ると思う。多分。

だけど、ふと思い返すと記憶に残っているコラムが1つもない事に気がついたんです。「過去最高のサッカーコラムは○○」とか言えない。

■サッカーコラムは優秀なコーチ?


そこで、自分なりに考えました。なぜコラムは記憶に残らないのか。

結論。

「サッカーコラムは考える『きっかけ』を与えてくれているにすぎないから」

文字数に制限があるコラムではテーマを深堀りする事はできず、コラム内で結論めいた事を書いていたとしても、根拠不足で印象に残らないんじゃないかと。結局は「問題提起」やあるテーマを考える「ヒント」止まりで文章が完結してしまっているのがコラムであると。

ただ、一見ネガティブに聞こえてしまうこの理由も実はもの凄くポジティブな事なんじゃないかと思うのです。

思い出したのは某有名コーチの台詞。

「コーチの役割は教える事ではない。選手に考えさせる事だ。問いかけ続ける事が大切。選手は考えれば考えるほど成長するものなのだよ」

つまり、何が言いたかったかと言うと、「サッカーコラムがファンにとっての『コーチ』」になりえるのではないかという事。

選手達は指示待ちではなく自ら考える事を求められる風潮が強まっているここ数年。それはサポーターの我々も同じ。コラムの内容が記憶に定着した時、それは解説者任せではなく、自らサッカーを考える習慣を得た時なのかもしれません・・・なんてね。

サッカースタジアムカメラ
※写真と本文は関係ありません

【Jリーグ第4節】ガンバ大阪-サンフレッチェ広島@万博

【ガンバ大阪 1-1 サンフレッチェ広島】

■ヤットの今後の起用法

「ナビスコカップ勝利の勢いをそのままリーグ戦にも」というのはガンバサポーター共通の想い。監督も同じ想いだったのかナビスコ好調組の阿部、明神、リンスをスタメンに抜擢。佐藤が外れてFWヤット再び。ヤットFW起用の意図は良く言えば「ヤットの守備の負荷を軽くしたい」、悪く言えば「ボランチ起用での守備は計算できない」ってところか。FWの相棒が前への推進力があるリンスである事、裏に飛び出せる阿部や倉田といった選手達が2列目にいる事を考えれば、浦和戦のような攻撃の手詰まり感はないとも判断したのだと思う。

結果は及第点。ヤット個人で考えれば得点という結果を出したので合格点という事になるのだろう。現状のチームでは密かにヤットは使いどころが難しい選手になっているような気もするけど、生き残る選手というのは誰の目にも明確な結果を出すんだなと。

しかし、ヤットFWはいつまで続けるんだろう。先週発売された某サッカー誌で宇佐美の4月中復帰の可能性が報じられた事で、宇佐美復帰後のヤットの使いどころを考えてしまう(まあ、今考える事ではないのだろうけど)。開幕前に準備していた宇佐美&ヤットの2トップ、リンス2列目という組み合わせに戻すのか。それとも、序々にフィットの兆しを見せ始めているFWリンスをそのままに宇佐美と2トップなのか。そうなると、ヤットは守備面を考慮して2列目起用が監督的には(表現が正しいかは分からないけど)落としどころという判断になると思うけど、今節攻守に貢献度の高かった阿部以上のハードワークを求めるとなるとレギュラー争いは簡単ではない。バイタルエリアでのチーム随一のクオリティの高さとセットプレーキッカーとしての役割もあるので簡単にスタメン落ちという可能性はないだろうけど、同じような役割であればフタも十分できる(フタのFW起用の方がリンスが活きる可能性があるのではないかとも)。

本職であるボランチでは、明神-今ちゃんのコンビが2試合連続で好連携。おそらく長谷川ガンバで最優先されるであろう守備面で、ヤットにあの2人が出したインターセプト数やタックルでのボール奪取数を求めるのは酷。そして、ウッチーへの評価も高いという状況。

チーム状態は今後も高まっていきそうな予感。今節も手応えの感じる内容。そういうチームにおいて、ヤットがどういう役割を果たしていくのか、監督がどのような役割を求めていくのか。ヤット自身のパフォーマンスは決して低い訳じゃない中で捉え方次第ではネガティブなテーマではあるものの、密かに注目ポイントだと思っている。

【ナビスコカップ第1節】ガンバ大阪-ヴィッセル神戸@万博

【ガンバ大阪 2-0 ヴィッセル神戸】

なぜだか初勝利みたいな感覚。「初日が出ました!」みたいな。4試合で3回目の完封試合という嘘みたいに守れる守備への手応え以上に前節から大幅に増えたシュート数や、今シーズン初の複数得点に対しての感情が強いゆえだろうな、きっと。

まあ、先制点はリンスの個人技だし、先制後にあった複数回の決定機は相手が前がかりになった事という要因も大きく、チームで崩したというシーンは実は少ない。だから、諸手を挙げて「ガンバの攻撃性復活やー」とは喜べないけども、今後チーム状態を上げていく上でのきっかけには十分なりうる。ナイスゲーム。仕事を休んだ甲斐があったよ。

■キーマンのゴール

テスト的な意味合いが強いメンバーで挑んだ今節。複数のポイントがあった試合だったと思うけども、どれも及第点だったのはチームの総合力向上の面で大きい。米倉のサイドバックしかり、西野・阿部といった準レギュラー陣がいつでも使える状態である事を確認出来た事しかり。

その中でも一番重要なテストであった「リンスのフィット」で結果が出たのが言わずもがな最大の収穫。ボールを受けられる形が増えているし、ゴールを決めてからはプレーに気負いがなくなったようにも見えた。ゴールが全てを好転させる事例は過去に何度も観てきたけど、このゴールでリンスは精神的に開放されたに違いない。奥さん、来日してくれてありがとう。

ナビスコカップの予選なんて何年ぶりか記憶が定かではないけども、こういう真剣勝負の場で公的に(?)テストができるのは面白い。ナビスコカップの存在意義を感じた一戦でもありました。ナビスコさん、ありがとうございます。末永く宜しくお願い致します。

【Jリーグ第3節】ベガルタ仙台-ガンバ大阪@ユアスタ

【ベガルタ仙台 0-0 ガンバ大阪】

さすがに3試合目ともなるとこの守備的なスタイルも見慣れてきますな。守備陣個々のパフォーマンスも高まってきている。東口も今シーズン初めてファインセーブが出た。ただ、あと7ヶ月間このサッカーをするのは精神的にキツイと思うのだけど選手達はどう感じているんだろうか。もう少し攻撃に希望を感じられない事には守備に対する集中力が持たないと思うのだが・・・。

■新加入選手が序々にフィットしてきてる事を心の支えに

そういう意味では後半の途中からの出場という事を差し引いてもリンス&米倉のプレーが共に今シーズンベストだった意義は大きい。両選手とも1人でボールを前に運べるプレーができるのが今のチームにとって本当に助かるし、逆にそういうプレーができない事には点を取れる気配がないのですわ。序々にチームに特徴を理解され始めている感があったのが今節最大の収穫。リンスは1点取れば変わってくるような気もするのだよ。

そして、ナイスタイミングだと思うのが水曜日にナビスコを挟んでいる事。ここはテストの場とすべき試合かなと。前述のリンスはキープも佐藤以上に出来ていたので十分スタメンで使える目途は付いているし、米倉は一度右サイドバックでのプレーが観たい(加地さんのイージーミスや寄せきれない守備のシーンが出てきているので)。西野も一度このあたりで使っておきたいところ。他にもヤットのボランチ起用、フタとリンスとホットライン構築、阿部ちゃんだってそろそろ・・・etc.

現状のチームに対しては賛否両論あるようで、全ての意見にそれなりに納得感はある。ただ、「スタイル」と「チーム状態」を混同して議論している感もあるなと思っていて、そこは整理したい。前者に関しては答えなし。賛否両論やむなし。後者に関しては、私はネガティブ派。守備がどんなけ安定しようがシュート1~2本のチームの状態が良い訳がない。

まあ、嘘か本当か「攻撃は水もの」らしいので、次節の神戸戦は勝敗以上に点を取るという事に対して良い感触をつかんで欲しいと思うのでした。

Jリーグがインドネシアで受け入れられるために

インドネシア国内サッカーリーグ観戦記の続き。前回の記事はこちら

今回のインドネシア遠征は実は2つの目的があって、1つ目は勿論「インドネシア国内リーグ観戦」。そして、2つ目はインドネシアで新たに開局された「WakuWaku JAPAN」というJリーグも放送するTVchの開局記念音楽フェスへの参加でした。

このイベントには日本のアーティストを代表して「flumpool」が参加した他、両国に縁がある「JKT48」も参加。驚いたのは想像以上に両方のアーティストがインドネシアの人に受け入れられていた事。特に「JKT48」の人気は絶大で、ああいうアイドル文化は日本独特のものだと思っていただけにイベント終了後はその要因を考えずにはいられなかった。

WakuWakuJAPAN.jpg

■JリーグがインドネシアにPRすべきポイントとは


そんな事をツイッターで呟いたところ「インドネシアにはあまりアイドルがいないんですよ」との返事が。「無いもの売る」。なるほど。納得感しかない回答。ああいうアイドルの文化やシステムはインドネシアにはなかったのか。

では、JKT48と同様に日本のコンテンツとしてインドネシアに売り込みたい「Jリーグ」は何を売りにすればいいのだろうか。ISL(Indonesia Super League)には無くて、Jリーグにはあるものとは何なのか。アイドル(JKT48)と違うのは、既にプレミアリーグをはじめJリーグのライバルとなる複数の「サッカー」というコンテンツが多くの人に受け入れられている点。

まず、「オンザピッチのクオリティ」ではJリーグはライバル達と戦えない。そもそも選手のネームバリューで勝ち目がない。そして、スタジアムの熱狂度という点に関してはインドネシアにも負けている気がする。プレミアリーグを観まくっている国民ゆえにワンプレーワンプレーに対するリアクションは玄人のそれだった。Jリーグオリジナルの魅力とは何なのだろう。マスコットの愛らしさ・・・以外にPRできるものはないものか。

強いて言えば、熱狂度では劣るものの、Jリーグの多種多様なチャントやコレオグラフィは多少興味をもってもらえるかもしれない。ISLはチャントの種類が少なそうだったから。私が観た試合では両クラブ共に3~4種類くらいのチャントで90分間回していた。レッズの応援あたりは派手だし喜ばれそう。コレオも凄い。もしくは、日本ではネガティブに捉えられる鹿島の「F●CK YOU ●●」みたいな弾幕もインドネシア人は好きかもしれない。インドネシア人サポーターの中指立ててる率はえげつなかったから。まあ、相手は審判だったが。そういう意味ではガンバの審判批判チャントは速攻採用だろう。家本主審のドキュメンタリーも制作しよう。あんなにサポーターから嫌われた経験のある審判と審判非難大国のインドネシアサッカーの相性は悪くないはずだ。

インドネシアサポーターコレオ

インドネシアサッカー審判

■JリーグとISLの人的交流の促進


ただ、現実路線で真面目に考えるとJリーグ~ISL間での選手移籍の活性化が一番てっとり早いんだろう。「異国で活躍する国内スター選手」というコンテンツ。もはやJリーグオリジナルコンテンツでも何でもない気もするが、インドネシアサッカーの歴史で過去実績がないもの・・・なはず。そして、このアプローチは我がガンバ大阪が既に開始している。さすがACL王者。視野が広いぜ。

これはインドネシアで受け入れられているプレミアリーグほどJリーグのレベルが高くない事を逆手にとった考え方。とはいえ、私が観た限りではISLは攻守の切り替えが信じられないくらい遅かったので、プレミアリーグほどレベルは高くないにしても、そこを大切にしているJリーグでのプレーは苦労するかもしれない。少なくとも長谷川健太ガンバでは使われないだろうなぁ。ぐぬぬ、乗り越えるべき課題は多そうだ。

という事で、「Jリーグがインドネシアで受け入れられるために」なんて大袈裟なタイトルを付けておきながら結論らしい結論を書けないままこの記事を終了する事をどうぞお許し下さい。何かアイデアがある方はコメント欄やツイッターで是非教えて下さい。では、サンパイ・ジュンパ・ラギ!

ISLエンブレム

関連記事:【インドネシアサッカー観戦記】カオスがもたらす熱狂のスタジアム

【Jリーグ第2節】アルビレックス新潟-ガンバ大阪@ビッグスワン

【アルビレックス新潟 0-2 ガンバ大阪】

内容はともあれ結果が大切なのだよ。結果を出す事で内容が改善されてくる経験は多々。先制した時の戦い方の上手さを確認できた事も収穫。正直、初勝利には時間がかかる可能性も感じていた中でJ1復帰初勝利の喜びは大きい。J2での1勝とは重みが違う。これが勝利の喜び。これが勝利の充実。90分間ずっとブーイングされた東口も達成感を持って大阪に帰っているに違いない。

■数少ない勝ちパターンにはまった一戦

「守」に重きを置き過ぎていた前節からどのようにバランスを取るかが今節のポイント。裏でボールをもらえ、前にボールを運べる倉田を最前線に、ヤットを一列下げ、フタに代えて米倉を2列目で起用したスタメンで修正も効果は微妙なところ。ただ、リンスがまだフィットしない現状を考えるとこの選択がベターである事も事実。

前半から先制点までの時間は攻守の切り替え早い新潟相手にレッズ戦以上にパスをつなげない展開。レオ・シルバの守備が強烈だったり、チームとしての完成度に明らかな差があったり、先制点くらっていたら完敗もありえた。そこで先制点を取られなかった事をチームの強さと捉えるか、アルビの逸機に助けられたと捉えるかで評価も違ってくるのだろうけど・・・私は後者かなぁ。楔のパスをシンプルに入れられる数も多かったし、守備は最後の最後で守り切れたけど、チームとして守れれていたという感じはレッズ戦時ほどしなかった。もちろん、マクロな目線であれば大幅に改善されてるけどね。

そういう展開でセットプレーで先制、カウンターで追加点というのは現状のチームにおいて数少ない勝ちパターンにはまったと思う。この戦い方で安定的に勝ち点を積み上げられるとは思えないので、引き続き攻守共により良いバランスを探る試合が続くんだろうな。

ただ、収穫もあって、特に2点目を決めた大森は2試合連続で途中出場から試合のリズムを変える事に成功しているし、先日のサポミで語られていた「ジョーカーがいない」という弱点を克服する存在になりえる。前述の通り、先制点後のサッカーは得点の可能性を感じさせるものだったし(当然と言えば当然だけど・・・)、内容に進歩がない訳ではないので後味の悪い勝利では全くない。

次節は仙台。監督が変わってチームの完成度はさほどまだ高くないであろうチームとこの時期にやれるのは悪くない。このあたりでそろそろリンス初ゴールが出てくるとチームに勢いが出てくるんだろうけどなー。

【書評/読書感想】「勝利のルーティーン -常勝軍団を作る、習慣化のチームマネジメント-」(西野朗)

遂にJリーグが開幕しました。今シーズンも色々と注目点はあると思うのですが、個人的には我がガンバ大阪の動向以外では西野朗監督のグランパスでのチャレンジに注目しています。ガンバでの10年間が西野監督の株を高めた訳だけど、ヤットやフタ、ハッシー、智とタレント的にも選手は揃っていた中の結果であり、本当に手腕が問われるのは今回のチャレンジではないかと。

という事で、そんな新たな西野朗監督のチャレンジをより楽しむために西野さん本人著「勝利のルーティーン」を読んだ。タイトルの通り、西野監督の監督業の哲学がつまった一冊となっております。

「私が10年間率いたガンバ大阪は、最終的に、本当にスペシャルなチームになったと思う。」

という言葉からスタートする本書は表紙のカバーが青色だったり、構成担当が佐藤俊さんだったりからも分かる通り、完全にガンバ本。グランパスサポも西野監督の哲学を探る意味では読めると思いますが、具体的事例のほとんどがガンバのエピソードですのでご注意を。具体名もバンバン出てくるし、ガンバサポはちょっとした暴露本としても楽しめます。個人的にはヤットに関する記述はお互いに実力は認め合っているけども、同時に微妙な距離感も感じさせるような・・・まあ、深読みし過ぎなのかもしれないけれど。

勝利のルーティーン(西野朗)


■西野朗とガンバ大阪の相性の良さ。そして、マンネリズム


西野監督は戦術に選手を当てはめるタイプではなく、選手の特性から戦い方を模索するタイプ。ただ、理想としての戦い方は持っており、それは「攻撃的」という言葉でも表現できるし、「バルセロナ(クライフ)」の影響も強く受けている事は自他共に認めるところ。それはアトランタ五輪日本代表での守備的な戦い方が批判された事が背景にあるのは有名な話で、攻撃的なスタイルで見返したいという想いを持っている中でそうしたスタイルが合う選手達(しかも、若い)が沢山いるガンバからのオファーがあった事は幸運だったし、西野監督がどういうアプローチでチームを作ろうが最終的には今のガンバのスタイルは確立された気がする。西野監督自身もガンバに関して本書で「相思相愛」「運命的」という言葉で相性の良さを書いている。

ただ、そんな西野とガンバにも終わりが訪れる。長期政権ゆえのマンネリについての苦悩が書かれてある第3章が本書最大の読み所。08年のACL制覇をきっかけに一種のバーンアウトに陥っていたチームを更に成長させたいものの、高レベルに達しているチームを変える難しさがあったと回想。本書のタイトルでもある「ルーティーン」の結果が当時のガンバであって、そこを変えるリスクを西野監督は選ばなかった。実際、変えるという選択をクラブが取ったセホロペ体制では降格という結果に至っているので結果的に西野監督は正しかったのもかしれない。

一方で、リーグ優勝が求められているチームにおいて05年以降リーグ優勝できなかった事も事実で、優勝のために何かを変えなければならなかったけど、変えられない西野監督を交代させたクラブの判断自体は悪くなかった。実際、西野監督自身も本書内で2010年シーズンは長期政権ゆえのコミュニケーション不足は認めており、新加入選手に対してもずっと一緒にいる選手達と同様の接し方をしてしまった事を「マンネリ」がもたらしたのかもしれないとして後悔している。何かを変えられる新加入選手達へのアプローチを間違えたのは痛恨だった。新加入選手がフィットしない事例は多々あったけど、こうした事実も少なからずあった事を知れた。

また、自身が築いたガンバのスタイルが確立しすぎて(?)、試合状況的にパワープレーなど違うスタイルで戦いたいと思っても選手達がついてこなかったという記述も。そのリーダーがヤットだったようで、いつの間にか西野監督以上に選手達が自分達のスタイルに拘っていたというのは何とも微妙。西野スタイルを実践できる選手達は強みでもあり、最終的には弱みにもなったのかもしれない。メンバー固定化の弊害としてJ2降格と共に忘れてはいけない経験。

■西野朗監督は名古屋グランパスで成功できるのか


完全に余計なお世話ですがね。正直、分からないし。ただ、考えるヒントが本書でちょっとだけ書かれているヴィッセル神戸監督時代の話。要は失敗談なのだけど、失敗の要因として「西野監督と神戸のスタイルのミスマッチ」が挙げられている。西野監督は前述で「戦術に選手をあてはめるタイプではない」と書いたものの、長年同じスタイルで戦ってきているチーム(神戸の場合はカウンター)に新しいエッセンスを加える難しさはあったようで、その点で前任者が長期政権だった名古屋は神戸と近い部分はあるかもしれない。(ガンバはこれで降格しました)

ただ、神戸と違うのはシーズン途中の就任ではない事と、技術的に神戸より高い選手が揃っている事。チーム作りは神戸時代よりはスムーズだと思う。それに攻撃的なスタイルが名古屋でも変わらないとして、ガンバではDFの選手から反発もあったようだけど、名古屋のDFリーダーが闘莉王であるという点からその心配も無さそう。いや、むしろ名古屋において闘莉王が一番攻撃的なので逆に西野監督がそれを抑えるという事態が発生するかもしれない。ガンバの専売特許だった「馬鹿試合」が名古屋に奪われる心配が出てきた。とりあえず、ガンバー名古屋の試合が今から楽しみ。

P.S.本書は上記以外にも、06年天皇杯決勝など具体的な負け試合を事例に挙げて書かれている「采配論」や、なぜ国内で活躍した外国人選手ばっかり獲得するのかが分かる「外国人選手獲得論」、オーナー制の神戸では確立できない「クラブ組織論」など結構細かく西野監督の哲学が書かれているので本当にオススメです。ガンバ関連本では過去一番面白かったかも。

関連記事①:【書評/読書感想】「一流のリーダーたちから学ぶ勝利の哲学 今すぐ実践したい指導の流儀」(長谷川健太)
関連記事②:【読書感想】「眼・術・戦~ヤット流ゲームメイクの極意~」(遠藤保仁×西部謙司)

【J1開幕戦】ガンバ大阪-浦和レッズ@万博

【ガンバ大阪 0-1 浦和レッズ】

出張先の北海道・新千歳空港でこれを書いています。スマホでブログ。気分は駆け出しアイドルでございます。という事で、開幕戦は残念ながら現地には参戦できず。PRONTでオンデマンド観戦。土曜の夜に長居してごめんね。

北海道で出会った雪だるまのゆるキャラ
北海道で出会ったゆるキャラ。本文とは関係ありません

■ベストな攻守のバランスを探る序盤戦


このタイミングでのブログ更新なので他ガンバサポブログは拝見していますが大体書いている事は同じ。要約すると「守備に重きを置き過ぎぃぃ」。確かに守備の安定がもたらす代償は大きすぎるように観えた。先週のPSMのレビューでは攻撃の選択肢の乏しさの理由に宇佐美不在を挙げたけど、解決策を「個」にもとめるのは違うかもしれない。この試合の戦い方を観る限りは誰が出ても同じような内容になった気がする。

守備をJ1でも十分戦えるレベルまで整備できたのは長谷川健太監督のさすがの手腕なので、この先は元々ポテンシャルとしてもチームコンセプトとしても持っている攻撃性とのバランスをどう取るか。昨シーズンも夏場は守備をある程度捨ててロチャを起用するような柔軟な采配ができる監督なので信頼してる。頼みます。

最後に新加入選手の話も少し。東口は説明不要。藤ヶ谷批判ではないけども、素人目にも明らかに分かる守備範囲の広さの違い。GKが変わるだけでここまで守備の安心感が違うのかと。確実にDF陣にも好影響を与えるはず。

そして、リンス。逆襲のキーマン・・・多分。スピード感乏しく、フィニッシュの迫力に欠ける今のガンバに足りないものを持っている・・・多分。レッズ戦は全くフィットしていなかったけど、キャンプ中はずっと右MFで起用されていた事を考えるとやむなし。我慢してFWで使い続ける事を望んでいる。リンスがどういうプレーができるのかで今後のシステム、戦い方が変わってくる。

なんでキャンプ中にFWでもテストしなかったんだろうか。

【インドネシアサッカー観戦記】カオスがもたらす熱狂のスタジアム

インドネシアの国内サッカーリーグ「ISL(Indonesia Super League)」を観に行ってきました。

このISLを「アジアで一番熱狂的なリーグ」を評する人が結構いる事は知っていて、一度機会があれば行ってみたいと常々思っていたんです。最近では、「スカパー!がインドネシアでJリーグを放送」や「Jリーグ初のインドネシア人選手・イルファンの甲府加入」といったニュースが報じられるなど日本のサッカーファンとの距離が縮まってきた事も好奇心に拍車をかけました。

そして、さらにインドネシアに興味をもたせてくれたきっかけは「ガンバ大阪のアジア戦略」。この国で親善試合やTV番組を放送する事が決定するなど、心情的にも一気に近い国に。インドネシア人にガンバの事を好きになってもらうためにまずは我々が彼らを理解しなくてはという気持ちもあり、Jリーグのオフシーズンを利用して2月15日~18日の3泊4日インドネシアの旅へ飛びました。成田~ジャカルタ片道7時間半の旅。ANAで直行、往復8万円弱でございます。

ちなみに、今回観戦した試合はジャカルタから車で4時間程度のバンドゥン(Bandung)という町をホームタウンにするクラブ「プルシブ(PERSIB)」のホームゲーム。当初はインドネシアで一番熱狂的なサポーターを持つとされる「アレマ・インドネシア(AREMA INDONESIA)」(ヤットにオファーを出したと報じられたクラブでもあります)の試合を観に行く予定だったのですが、アレマのホームタウンであるスラバヤ付近の火山が噴火した影響で急遽試合中止に・・・。

インドネシアサッカーゴール裏

インドネシアサッカースタジアムメイン

インドネシアサッカー選手整列

■カオスがもたらす熱狂のスタジアム

ただ、プルシブもインドネシアサッカー初心者の私からすれば十分すぎるほど熱狂的でした。これ以上の熱狂は暴動です。サッカーに対する熱量がJリーグのサポーターの比ではありません。初めて埼スタに行った時やアルウィンでアルプス一万尺を聞いた時以上の衝撃を受けました。「アジアで一番熱狂的」という触れ込みは伊達じゃない。ゴール裏のサポーターが応援を始めてからしばらくは鳥肌が止まりませんでした。

Jリーグ以上に声量のあるチャント、ダイナミックな応援の動き、同じタイミングで立ち上がり声をあげる事で生まれるスタジアムの一体感・・・この国の人々にとってサッカーがどれだけ大切なものか数分で理解できました。同時に、私(達)が大好きなサッカーはインドネシア人も大好きなんだと知れた事になぜか無性に感動しました。私の両隣に座った強面のインドネシア人のスリに怯えながらも、サッカーで異文化の人間が同じ想いや興奮を共有できる素晴らしさに試合中にも関わらず涙が出そうになりました。インドネシアに行って良かった。

インドネシアサッカースタジアムグッズ

一方で、誰に対しても勧められる部類のものではない事も確か。事実、スタジアムでの暴動は頻繁におきているようで、中には死者まで出ているようなケースも。今回の旅で家に泊めてもらった先輩にも1人でスタジアムに行く危険性を何度も言われましたし、当初スタジアムまでの送迎をお願いしていたドライバーも「やっぱりスタジアムに行って車壊されたら嫌だから無理」とドタキャンをしてくるほど。

私が観戦したこの試合は暴動までは起きなかったものの、試合中に信じられない数のペットボトルがピッチにむかって投げられるし(選手が拾ってピッチ外に出していた)、試合中ずっと中指立てて明らかに汚い言葉を叫び続けている人はいるし、発煙筒も普通に焚いてる。そして、そういうアクションをしている人がスタジアムにおけるマイノリティではないというのが驚きです。これが本当のカオス。Jリーグならこの試合だけで何人の出禁者が生まれたんだろう。

インドネシアサッカーペットボトル

インドネシアサッカー警察

ただ、そのカオスはISLの魅力を下げるものではない様。国際的には問題にされるであろうスタジアムの治安も、びっしりサポーターで埋まったゴール裏の風景や女性•子供のサポーターが多い事から推測するに国内的にはむしろ魅力として映っているのではないかとすら感じました。信じられない人数が配置される警察も、飛び交うペットボトルや罵声も、ISLなりの様式美。日本における相撲の座布団と同じようなものなのかもしれません。

今は「何もかもJリーグの方が上だろうな」という目線でISLを観ていた事を改めなくてはと感じています。各国でその国独自の魅力は必ずある。ガンバというクラブ単位だけではなくJリーグとしてもアジア戦略として東南アジア各国との提携を強めていく中で、Jリーグの魅力を売り込む事以上に逆に魅力を教えてもらう事も多々出てくるのだろうなと感じるインドネシアの旅なのでした。

インドネシアサッカーサポーター

インドネシアサッカースタジアム1

参考①:ISL公式サイト
参考②:PERSIB公式サイト

関連記事:Jリーグがインドネシアで受け入れられるために
関連記事:ブラジルW杯遠征まとめ【前編】
関連記事:ブラジルW杯遠征まとめ【後編】