【書評/読書感想】「輪になれナニワ」(佐藤俊)

シーズンレビューを兼ねて今回はこの本の書評/読書感想を。著者や本のタイトルからも分かる通りガンバ本。内容的は1993年のJリーグ開幕から西野政権終了の2011年シーズンまでの簡単なシーズンレビューと、選手のコメントを多く引用する形での昨シーズン~今シーズンの深堀りレビュー。

選手のコメントを読む事で今シーズンの試合の映像が甦ってくるし、選手達がJ1での戦いを見据えてJ2のシーズンを過ごしていた事を改めて知る事ができる。ヤットの若手選手に対する「でも、みんな、本当に成長したかどうか・・・」という厳しいコメントが象徴するように、今年のガンバはまだ決して完成形ではない事を再認識させられた。

輪になれナニワ

月別に複数選手のコメントが紹介されているのだけど、一番意識が高いと感じたのは倉田。個人としても、チームとしても目指している目標地点が高い事が伺いしれる言葉が多数。チームの課題の捉え方も具体的で、キャプテンであるヤットは達観している印象もある中で、実質チームを引っ張るのは来シーズンも彼なのかなという気はした。

宇佐美も意識は高いのだけど、どちらかというと個人のプレーに対する向上心が中心で、FWというポジション柄から考えても、とりあえず宇佐美はそれでいい。

そして、今ちゃんが相変わらずマジメというか、ネガティブというか、反省中心の言葉ばかり発していたのも「らしい」感じがして面白かった。まあ、不調だった9月のレビュー担当だった事もあるけど、代表でも不調時期が重なっている事もあったようで、色々苦労した模様。ちなみに、一時期、立ち上がりに失点しまくった事に対しては慎重に試合に入った事が逆に相手に精神的優位を与えてしまったという分析。妙に説得力を感じてしまった。

「来年が本当の勝負だ」という気持ちはクラブ(強化部)も同じようで今シーズンオフの補強は積極的かつ的確。東口に、米倉に・・・未来を感じる選手も加入して、また大きな伸びしろがあるチームに生まれ変わりつつあるのはサポーターとしても応援のし甲斐倍増という感じ。あとは、本書で今ちゃんが宇佐美やフタにボールが入った時以外は攻撃のスイッチが入りづらい主旨のコメントを残していたり、ヤットが点の取れる外国人の必要性を説いていたりする事からも分かる通り、攻撃的な選手の補強が決まれば満点でしょう。

今からサカダイの補強診断特集号が楽しみになってきた。


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【書評/読書感想】「スポーツ業界の歩き方」(河島徳基)

スポーツビジネス」をキーワードに就職活動に励んだ頃が懐かしい。「Jリーグの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい!」という想いで受けた博報堂に書類面接で落ちてからそれなりの時間が流れた。当時描いていたキャリアプランではそろそろJOCやJリーグクラブに引き抜かれていたはずの年齢を目前に控えた2013年、冬。結局、独特すぎるマスコミの世界に就職して、「同業界にしか転職できないよ」なんて周りの人は言うけども、実はスポーツ業界への転職を諦めていなかったりする。

今回紹介する本は「スポーツ業界の歩き方」。書き手はRGHT STUFFの河島徳基さん。密かに面識がある。学生時代に河島さんから「スポーツ(ビジネス)」をテーマに色んな話を聞かせてもらった経験があり、当時聞いた話がまとめられている様な内容で、読みながら懐かしさを覚えた。普通どんな本でも「えっ?それは違うだろ」と思う箇所が出てくるものなのだけど、この本はそれが非常に少ない・・・つまり、自分のスポーツの見方のベースになっている事に気づかされた。無知であった学生時代に出会えていたからこそ素直に話を聞けていたのだと思う。ひねくれた大人になる前に出会っておくべき人はいるのかもしれない。

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■「スポーツビジネス」を学ぶ上での超入門書

タイトルからは「スポーツ業界転職 HOW TO」的な内容を想像すると思う・・・が、違う。いわゆるテクニック論の本ではなく、もっと視野を広くスポーツが持つ価値や課題、スポーツビジネスの基本構造といった本質的かつ基礎的な事を解説してくれている教科書的な一冊。そうした事を学ぶと漠然と「スポーツ業界を目指します」というアプローチではなく、より具体的に自分が目指したいスポーツビジネスのキャリアを考えられるようになるはず。スポーツビジネスといっても多種多様。「スクールビジネス」、「大会運営ビジネス」、「選手マネジメントビジネス」、「総合型地域スポーツクラブ」、「協会ビジネス」・・・etc. それら各業界の解説も記載されているので、スポーツビジネス版「業界地図」としてもどうぞ。

最後に、「金はないけど夢はある」のが現在のスポーツ業界。ただ、金がなければ夢も消えてしまう。直近では金がないがためにJリーグは1ステージ制を捨てざるを得ない事態に追い込まれている事が判明。あらゆるメディアにJリーグの現状を説明する中西大介事業統括本部長の言葉には夢はどこにもなかった。ただ、金を集めるべく努力している中西さんは悪者ではなく明らかに味方。Jリーグの改革に批判する意見はどれもごもっともだと思う一方で「どうやって収入を増やすのか」という重要視しなければいけない視点に欠けているものが多かったのも事実。2ステージ制に反対しながら、Jリーグの違法視聴方法をツイッターで呟く奴を見た時は目を疑った。

「スポーツには金が必要である」。言い換えると「スポーツでもっと金を生みださなければならない」というのがこの本の趣旨。Jリーグが改革期を迎えている今、スポーツ業界に就職・転職したい人だけではなく、我々Jリーグサポーターも読んでおきたい一冊。

※関連記事①:スポーツサイエンステクノロジー2010~久しぶりにスポーツビジネスセミナーに行ってきた話~
※関連記事②:エルゴラ・アカデミー フットボール学公開講座に行ってきた話


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