映画「TESE」を観てきた話

こんばんは。昨年末の話になるのですが、渋谷UPLINKまで映画「TESE」を観てきました。「TESE」とは川崎フロンターレで活躍して、今はドイツで頑張ってるチョン・テセ選手の事で、この映画はそんなテセ選手のドキュメンタリー映画です。

映画「TESE」
HPはこちら→http://chongtese.net/

映画はサッカー選手というよりも人間チョン・テセにフィーチャーされた内容な印象。生い立ちから現在に至るまでの過程を家族、恩師、チームメイト、そして、本人によるインタビューを加えながらひも解いていきます。ちなみに一時間半の上映時間の中でナレーションは一切なし。個人的にサッカードキュメンタリーで最高傑作だと思う「六月の勝利の歌を~・・・」も同じくナレーションがなかったけど、そっちの方が映像や人のコメントの集中できるし、色々想像しながら(主体的に)観るので記憶に残る作品となりました。

映画の中で印象的なのはテセの「韓国に行っても、ウリナラ(北朝鮮)に行っても日本人扱い。日本で暮らしているからって、日本人扱いでもないし。故郷はいっぱいあるけど自分にはホームがない・・・」という台詞。この感情は一生、私には分からないものなのだと思います。映画からは一見、クラブのサポーターから愛され、親族は強い絆で結ばれ、在日のコミュニティは今の日本にはない仲間を大切にしようという連帯感があり、普通の日本人よりホームを多く持ち、孤独とは無縁の環境のように感じました。同じ在日という立場の李忠成が日本代表を選んだ時に「彼にはホームが出来た」といった一種の羨ましさを含んだ発言がありながらも、自身は北朝鮮代表を選び、国家を聞いて涙する。母の強い希望により朝鮮学校で育てられた事や家族の強烈な母国への想い、一方で北朝鮮とは違う日本という国の自由さを理解し、エンジョイし、B系のファッションに身を包みヒップホップを口ずさむテセ・・・様々な感情が常にテセの中で絡み合っている。整理なんてつけようがないのかもしれません。ただ、そんなバックボーンは足枷ではなく、テセにとってパワーとなっている。海外組でテセを慕う後輩選手は多くいるけども、後輩の面倒見の良さなんかはそうして自身の生い立ちと無関係ではないんだろうな・・・という印象を受けました。

そんなテセが今はドイツでプレーしている。海外に行くと自分の国籍を意識せざるをえない経験を沢山しますが、テセはドイツでプレーして自分が何者であると再認識するんだろう。多国籍なリーグで戦う事で何か心境の変化が生まれるのでしょうか。5年後の続編が観たくなるような映画でした。

P.S.私が行った数日前に本人も来場していたようで、サイン入りのカードをもらっちゃいました。ラッキー。

テセ

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