過去の結果では生きられない仕事 -柏レイソル戦-

【ガンバ大阪 0-1 柏レイソル】

いよいよ決断の時。

日本代表監督は課されているノルマがメディアを通じて報じられることが多いが、長谷川健太監督にはそのようなものは存在するのだろうか。3バックを継続してより守備的に戦う中でもあれだけ被決定機があり、攻撃の形が皆無…辞任でもおかしくないようなチーム状態。

特に後半、劣勢が続く時間帯にベンチが動けないまま失点したことは理解に苦しむ。試合インタビューで健太監督は「あの時間帯を耐えればうちの時間が…」趣旨のコメントを残していたが、本音だとすればあまりにも楽観的すぎる。タラレバすら許されない試合内容だと捉えている。長谷川ガンバのラストゲームに値する試合だった。

過去の結果では生きられない」はレッズを解任されたミシャ監督の言葉だが、仮に長谷川健太監督がこのまま監督を続ける場合、ガンバ大阪は「過去の結果で生きられる」クラブということだろう。少なくとも監督自ら直近のノルマを明言するか、クラブがデッドラインを設定すべき。

今年のスローガンは「勝」だが、口だけスローガンになるなら来年からやめた方がいい。

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Jリーグクラブの媒体力 -ジュビロ磐田戦-

【ガンバ大阪 0-2 ジュビロ磐田】

‘末期’のメンタリティは悔しさや怒りではなく「諦め」である。ここ数年で試合途中で帰宅するガンバサポがあれほど多かったことはない。「万博劇場」が懐かしい。白けたのはユニホームだけではなかった。

ダービー勝利を「すべてを好転させる一勝」と喜んでいた自分が恥ずかしい。ダービー勝利を最大限評価しても直近6~8試合の結果・内容を考えれば健太解任はまったく違和感のない選択肢。


青黒ではなく白に染まったスタジアム


記念ユニ。ヨネは出場しなかったけど…

■Jリーグクラブの媒体力

今節は太陽の塔内部再生事業のアピールを兼ねた特別試合。地域にサッカークラブがある意義は多々ある。純粋にエンタメとしてのコンテンツの魅力の他、コミュニティの活性化、応援することによるストレス発散効果…etc. 個人的には「媒体力」に価値を感じている。Jリーグクラブを通じて情報発信することで影響力が格段に上がる。最近では震災関連でサッカークラブ(サポーター含む)の発信力が評価されたことが記憶に新しい。

太陽の塔とガンバ大阪の親和性は高く、非常に良い企画だった。自治体主導で太陽の塔内部再生事業に興味や賛同を集めるのはなかなか難しいだろうが、今回の企画は記念ユニのデザインなどインパクトのある広報活動になっているはず。集客的にも成功した。最近はプロジェクションマッピングなど企画モノにクラブが積極的なのは素晴らしいこと。社員数が増えて余裕が生まれたのか、メインコンテンツのサッカーがつまらない補償……なんてことはないだろう。


蘇れ!太陽の塔


千里中央では同時期に大阪万博イベント開催


太陽の塔グッズ発売も

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そのうち入る3点目はない -サンフレッチェ広島戦-

【サンフレッチェ広島 2-2 ガンバ大阪】

記憶が正しければ毎年数回は発言しているであろう台詞の今シーズン一発目を。

今シーズン終わった・・・。

シーズン前半に引き続き下位に位置する甲府&広島に未勝利という事実を受けて楽観的になれるほど私は脳トレを行っていない。ダービーに勝利しても首位とは勝ち点差がある中で甲府に敗戦。危機感MAXで挑んだはずの広島戦で引き分け。共に油断が生まれる状況ではない中での結果にはチームの限界を感じざるを得ない。

■そのうち入る3点目はない

気になったのは2-1からの中途半端な試合運び。ポゼッション率がゲーム支配率に等しいと捉えてもいい展開において、ガンバにしては珍しくリード時も攻撃的に戦える状況に判断を迷ったか。「そのうち入る3点目はない」は西野朗元監督の台詞だが、3点目を取れば試合を終わらせる中で早めのウィジョや泉澤の投入で明確なメッセージを打ち出すことはできなかっただろうか。

そのうち3点目が入りそうという空気感は守備意識の欠落にもつながっていて、失点のきっかけとなったシーンしかり、リスクマネジメントが疎かになりつつある前兆はあった。ヤットや今ちゃんといった経験のある選手がピッチにいたにも関わらずゲームをコントロールできなかったことは残念だし、ベンチからのアシストがなかったことも残念。

ダービー勝利でチームに不必要な安心感が生まれた?長期政権の健太監督にチームが慣れ過ぎてマンネリが起きてる?優勝を目指しているチームの戦い方ではない。

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何を期待してチャントに想いを乗せるのか -ヴァンフォーレ甲府戦-

【ヴァンフォーレ甲府 1-0 ガンバ大阪】

抽象的な話にはなるが自分達の声援が試合内容とシンクロしていると感じる時がある。その多くがアップテンポのチャントを歌うと攻撃にリズムが生まれるというものである。上西小百合先生に言わせれば「サッカーの応援しているだけのくせに、なんかやった気になってるのムカつく」で一蹴だろうが、ある種の信仰的なものだ。信じる者は救われる。特に長谷川健太監督のサッカーは守備的でつまらないで評判であるがゆえにアップテンポのチャントには想いを乗せまくって早数年。

そんな中、今節試合を応援しながら向かい合った甲府サポーターのことを考えた。甲府との試合は基本的に毎回今節のような内容になる。つまり、守備的な戦術で戦ってくる。監督が変わって表向きは目指すサッカーに変化があっても、傍から見る限りはいつも結局は堅守速攻のサッカー。そうしたサッカーを応援する甲府サポーターはチャントにどのような想いを乗せているのだろうか。守備的なサッカーをつまらないと捉えているガンバサポーターとは違うメンタリティがきっと存在するはずだ。耐えて耐えて耐えて数少ないチャンスにかける想い。これはこれでスタジアムの一体感を生みそうである。我慢した時間が長いほどカタルシスは大きい。


心配された雨は降らなかったものの、18時K.O.は暑かった…

■選択肢の豊富さ

ピッチ上は守備的でもそれ以外は攻撃的であるのが甲府スタイルである。アウェイサポーターも対象とした抽選会(試合前&HT)、試合前に複数個所で同時開催されていた音楽ライブ、ハーフタイム花火、モノマネタレントショー、ゆるキャラ、ご当地スタグル…etc.そうした多様性の象徴が企業広告の看板で、話題の「かりそめ天国」看板もガンバゴール裏に登場した。何が入口となってファンになってくれるかは分からないので、老若男女全方位をターゲットとしたアプローチは重要だ。


ガンバゴール裏側に登場した話題の看板


毎年、入場時にはゆるキャラが出迎え。昨年はコチラ


ど根性ガエル・ピョン吉とのコラボレーションも実施

これはピッチ上でも同じ考え方が当てはまるはずで、選択肢は多く持っておかなければいけない。甲府は前述の通り引いてカウンター狙いであることは明白ゆえアプローチ方法は考えやすかったはずなのだが攻守における無策感が悲しい。セオリーであるサイド攻撃を第一選択肢とする以外にどのような狙いがあったのだろう。この負け方以外に可能性があったのかという典型的な甲府戦の負け方。数回あった決定機を「あれが入っていれば・・・」は総括として正しいのか微妙。守備ありきの長谷川ガンバにおいてカウンターで被決定機を数回作られている点をふまえても完敗の可能性もあった試合内容。

数少ない収穫はガンバ敗戦によって試合後、スタジアムからの移動がスムーズで小作の21時ラストオーダーにギリギリ間に合ったことくらいだ。

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すべてを好転させる一勝 -セレッソ大阪戦-

【ガンバ大阪 3-1 セレッソ大阪】

ピッチに映し出されるプロジェクションマッピングに連動したダンスを行うガンバボーイやガンバチアを眺めながら充実感を噛みしめた。サッカークラブの本質の部分ではないだろうが、こういう先進的な取組みはガンバのブランド価値を高めていると思う。なぜなら、サポーターの私がすごく誇らしい気持ちになったから。設営担当の方も含め相当なリハーサルをしたことが垣間見えたが、大変お疲れ様でした。ダービーにむけて準備してきた全ての人の気持ちが報われて良かった。


今回は選手主導のガンバクラップからプロジェクションマッピングスタート


プロジェクションマッピングで打ち上げられた銀テープ

■ウィジョがもたらしたもの

ダービー最大のトッピックスは新加入FWのウィジョデビュー。スタメンで起用されたことからも一定のフィット感はあるのだろうとは思っていたが、想像以上だった。体格からポストプレーヤーをイメージしていたが、今節では裏に抜ける動きを中心にゴールへの意識の高さに特徴があるように見えた。

強化部がどこまでイメージして獲得に至ったのかは定かではないが、強引でもボールをバイタルエリアに運ぶ強い気持ちはガンバに足りなかったもの。今のチームはボールを大事にするあまりファーストタッチを後ろに置く選手が多過ぎる。他クラブから研究されていない点もポジティブな要素で再び夏のFW補強がガンバ快進撃の起爆剤になりうるポテンシャルがある。

また、パトリックしかり、ペルージャ時代の中田英寿しかり、歴史を振り返ればデビュー戦での活躍の重要性は説明不要。結果的に値千金の同点弾を決めた訳だが、後半の立ち上がりは試合に入れない時間もあった中で彼を交代させなかった健太監督の采配も評価したい。まあ、守備を意識して高さのある選手を残したかっただけかもしれないが…。

新加入選手の活躍で大阪ダービーを勝利すること以上にチームを勢いづかせるものはない。吹田スタジアムに響き渡る「俺たちが大阪さ」チャントがその勢いをさらに加速させる。素晴らしい夜だ。



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