愛される -川崎フロンターレ戦-

【ガンバ大阪 1-1 川崎フロンターレ】

スポンサーやアウェイまで駆け付けるサポーターへのお礼を伝える律の姿にプロスポーツ選手として生きている意味を理解しているんだなと感心させられた。宇佐美しかり、クラブへの愛着をしっかり言葉にできる選手は愛される。試合後にガンバゴール裏まで挨拶に来た阿部ちゃんやアキも素晴らしい。ああいう行動がセカンドキャリアにつながる可能性だってある。プロとして生きるにはピッチでの活躍だけじゃ足りない。

そんな律の立派なスピーチを聞きながらパトリックの扱いが雑じゃないかとも感じた。中途入社した会社の先輩の言葉を思い出す。

「新卒入社組は特別扱いされるから。中途組は放置なんだよ」

律と比較する訳ではないが、クラブへの貢献度を考えればセレモニーをされるべきはパトリックである気もする。海外移籍と国内移籍の違いや、パトは試合前日に別のイベントを開催しているからという理由も理解できるが、少し寂しさを覚えた。だからこそ、サポーターからのパトリックコールは感動したし、選手間でパトが胴上げされたことにほっとした。見てる人は見てる。ちゃんと評価していることが伝えられてよかった。個人的にはパトの胴上げシーンが今節のハイライト。

ただ、あの胴上げ、参加者の少なさは私がパトだったら少し気にするかもしれない。多分、胴上げは予定にないもので自由参加だったのだろうが、案外ああいうところにチームの団結力が見え隠れする。まあ、私は気にしすぎな性格なので、ラテンなパトは全く気にしていないだろうけど。

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移籍と向き合う -ヴィッセル神戸戦-

【ヴィッセル神戸 0-1 ガンバ大阪】

大森はどういう気持ちでガンバ戦に挑むんだろうと試合を観ていた。

移籍の本当の理由は分からない。ただ、何も不満がなければ移籍しないという前提で考えれば「古巣へ自分の価値を示してやろう」という想いは強かったはず。そういうモチベーションは強い。ヤットだって色んな悔しさを糧にして今の地位まで辿り着いているのだ。前回の記事でモチベーションの源となるもの重要性について書いたが、「見返してやる」というモチベーションの源は決してネガティブなものではないし、今節ガンバが勝った事で更にそれは大きくなっているはず。次回対戦では今節以上に気をつけないとやられる。

引き続き推測だが、大森のように「評価に納得がいっていない(稼働率の低い移籍組が自分より高い年俸をもらっている)」「自分がしたい仕事と違う」のような状況は普通の会社員でも当たり前のように起こりうる。そこで移籍(転職)を決断できる人が何割いるか。慣れている環境、付き合いの長い仲間、悪くない年俸・・・これらを捨てて新天地にチャレンジする決断は尊重しなければならない。ガンバサポーターからのブーイングがあることも分かっていたはず。「活躍できる訳がないよ・・・」という陰口が耳に入っているかもしれない。それらを全部受け入れる覚悟を持った選手は今後どのようなキャリアを歩むのだろう。

どのタイミングでガンバを離れる決断をしたのかは分からない。本人にとって許し難い出来事(きっかけ)があったのかもしれない。その瞬間はクラブへの愛情だけ怒りに震えただろう。ただ、それをきっかけに今後のキャリアを考える事ができ、決断した新しい道で成功したのであれば許し難い出来事は数年後に成功のターニングポイントに変わる。ヴィッセル神戸とは切り離して、大森個人に対しては今後の成功を祈っている。

今日、丹羽ちゃんに移籍報道が出た。サポーターレベルでは出場機会に恵まれない呉屋や米倉の退団を心配する声もあがっている。パトリックは就職活動中だ。どういう結論を出すにせよ、一度は仲間になった選手達の未来に幸多からんことを。

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オフ明けは頑張れない!? -ジュビロ磐田戦-

【ジュビロ磐田 3-0 ガンバ大阪】

降格が決まった試合以来のヤマハスタジアム。あの日、試合後に行われた伝説のセレモニーは一生忘れない。あの歌詞の歌が降格直後に歌われる奇跡(悲劇)。降格はこんなにも惨めな気持ちになるのかと震えた事をよく覚えている。

ヤマハスタジアムに着けば特別な感情が甦るかと想像していたが案外何も思わなかった。多分、選手達も同じだろう。特別な想いがあればあんなに緩い試合の入り方はしない。あの日から4シーズンも過ぎている。


アウェイゴール裏が逆になっていた

完敗する試合は「球際」「運動量」「仕掛けの数」などメンタルに起因する基礎的な部分に差がある時が多いが、ACLの影響で1週試合が飛んだことで緊張感が途切れたのだろうか。はたまた、今週からの代表合宿に意識が向いて目の前の試合に100%集中できなかったか。酷い試合だった。

ただ、自分に置き換えてみれば同情できる部分もある。確かに連休明けの仕事はやる気がでない。人事異動などイベント前も然り。ダメサラリーマンメンタリティで敗戦理由を考える事自体が間違っている気もするが、ピッチ上の出来事を自分の人生に重ねる癖をやめられない。

来週も代表ウィークでJリーグはお休み。再び数日間のオフが与えられる可能性がある。

「こんな緊張感のない試合になるならオフは取るな!合宿でもやれ!」

と、言いたいところだが、日曜デーゲームの疲労を理由に月曜日の仕事を有給休暇で休んでしまう私にはその資格がない。



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応援したくなる彼 -サガン鳥栖戦-

【ガンバ大阪 3-0 サガン鳥栖】

応援したくなる選手の条件とは何だろう。「かっこいい」「ファンサービスが丁寧」「地元が同じ」「テクニシャン」「ゴールをたくさん決める」「ユース出身」・・・etc.私の場合は「戦える」事である。「戦える」の定義は「走れる」「球際激しい」あたりをまず想像するだろうが、私の場合は“気持ちが見える”事が重要。淡々のプレーする選手が多かったガンバ大阪というクラブにおいて勝ちたい気持ちがダイレクトに伝わってくる選手をいつからか好きになった。

最近のお気に入りは赤﨑。愚直なまでの守備でのハードワークに心動かされる。得点が最も評価されるポジションにおいて、その可能性を下げかねない守備でのハードワークに試合に挑む強い気持ちを感じずにはいられない。決定機には絡むもののゴールを決めきれないシーンが続いている事、後半の早い時間帯により決定力を持つ選手に交代させらている試合が続いている事にもそそられる。儚さは人を応援させる要素なのだ。ゴールという形で彼の献身が報われていない事が逆に彼を人気者にする。何か足りない。ただ、その何かを我々の声援で埋めたいという想いにさせる。サポーターの声援が赤崎の武器になる日は近い。

そして、その赤﨑のライバルとなる呉屋が今節復帰。赤﨑にも負けない献身性を持つ長沢は得点という結果を出すようになり、パトリックまで復帰が近い。夏場の外国人FW補強は必須だと考えてきたが、過剰戦力はチームマネジメントを難しくするデメリットもある。ACLもない後半戦へ向けてチーム戦力をどう上積みさせるのか。リーグでは勝っているだけに難しい判断が待っている。

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日曜の夜 -コンサドーレ札幌戦-

【コンサドーレ札幌 0-2 ガンバ大阪】

サポーター活動を始めた学生時代は観光地になど目もくれず、ただスタジアムを往復する遠征をしていた。「遊びに来てるんじゃねぇ!戦いに来ているんだ」。わりと真剣に思っていた。

時が変われば意識も変わる。今回の札幌遠征はほぼ観光だった。昼間からサッポロビール博物館でビールを飲み、ソフトクリームまで食べていたらスタジアムに着いた時にはキックオフまで2時間を切っていた。試合後の祝勝会はジンギスカン。満腹である。

これをガンバへの熱量の低下と捉えるのか、大人の余裕と捉えるべきなのかは知らない。間違いなく言えるのは楽しかったという事。「日曜ナイター」にクレームをつけていた数ヶ月前の私はもういない。日曜夜に翌日の仕事を考えないで遊びほうける時間は至福以外の何物でもなかった。


札幌は想定外の寒さだったので屋内開催に命拾い

■スタジアムに一体感をもたらすもの

私とは違い、ちゃんと月曜日から働く人が大半であろう中でも札幌ドームの入場者数は2万人を超えた。驚かされたのは集客力以上にスタジアムの一体感。バックスタンドや逆側ゴール裏の札幌サポーターも手拍子でゲームに参加する事でチームを後押しするホームの空気感を作り出していた。それを感じてしまうのはガンバゴール裏が例の件でいつもと違う事も原因の1つだろうが、昇格時のスタジアム満席など成功体験や野々村社長の積極的なPRが活きているのだろうかと色々想像した。

「一体感」という意味では試合終盤にオープンな展開になった事で連発された“アデミウソンドリブル突破祭”は盛り上がった。いつかの味の素スタジアムで発生した“ミネイロ祭”を思い出した。共にイケイケの攻撃を繰り出した際に発生したものだが、攻撃的なサッカーとすすきのは人を元気にする事を札幌で学んだ。

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